【日本株週間展望】続伸、半導体関連の決算に注目-IMFの見通しも
(ブルームバーグ): 4月第3週(15-19日)の日本株は続伸する見通し。海外で半導体関連企業の決算発表があり、日本株の押し上げ材料が出てくる可能性がある。
企業決算では国外で半導体関連企業が示す収益の先行きが注目される。半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が18日に発表する決算では前年同期比で増収増益と市場では予想されている。17日に公表を予定しているオランダの半導体製造装置メーカーASMLホールディングは減収減益が見込まれている。
各国から経済指標の発表が相次ぐ。 米国で15日に3月の小売売上高や4月のNAHB住宅市場指数の発表があり、中国の小売売上高や工業生産などは16日に公表される。国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(WEO)も16日に公表される。WEOで経済成長の明るい見通しが示されれば、リスク資産の株式には追い風だとの見方がある。
日本では19日に3月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。2月の生鮮食品除くコアCPIの伸びは2.8%と、政府による物価高対策の影響が一巡する中で4カ月ぶりの上昇率となった。日本銀行の植田和男総裁は円安による輸入物価の上昇を受けて基調的物価も上昇するリスクが高まる場合には、金融政策の変更も考える必要があるとの見方を示していた。
第2週の東証株価指数(TOPIX)は週間で2.1%高と3週ぶりに反発した。1ドル=153円台までドル高・円安が進み、輸出関連銘柄を中心に円安を好感した買いが入った。半面、為替介入への警戒感も高まり上値の重しとなった。
《市場関係者の見方》
大和証券の細井秀司シニアストラテジスト
IMFの世界経済見通しが上方修正されれば、リスク選好が強まり日本株にも追い風となるだろう。ASMLやTSMCといった半導体関連の決算が発表されるため、先行きが強いとの見通しが示されれば日本市場でも関連銘柄に買いが入りやすい。半導体関連銘柄の日経平均株価への寄与度は高いため、相場を押し上げるだろう。不安材料は地政学リスクで、イラン関連で動きがあれば原油価格の上昇につながることも考えられる。