中日のドラ1柳をレジェンド左腕が「ローテいける」と太鼓判!
中日の沖縄・北谷キャンプで2日、ドラフト1位の柳裕也(明大)が、2日間連続でブルペンに入り、球威のあるストレートと、特徴のある高い出所が武器のお化けカーブを交えて61球を投げ込み、また見守る関係者の評価をアップさせた。 フォームバランスを考えて柳は、まずはセットポジションからストレートを投げ込み、続いてプレートの三塁寄りを踏んでノーワインドアップ。その際、左足をうまく使って“ため”を作るのが、特徴的なフォーム。 ブルペンでチェックした阪神の山脇スコアラーは、「ステップした左足が着地してから遅れて腕が出てボールをリリースできている。バッターからは見にくいし安定感が出るフォーム。カーブでカウントが取れるかどうか気になるが、今年は戦力に加わってくるという目で、この先チェックをしていきたい」と見ていた。 途中、ブルペンキャッチャーが右、左打席に立ってストレートを外、内と投げ分けた。お化けカーブはワンバウンドになるものが多かったが、それほど低めを意識していたということだろう。 ストレートの球質は重たく見えた。そして上下にボールがほとんどぶれていなかった。 初日のブルペンでは「緊張して力んだ」という柳も、2日目となると「流れがわかってきました。バランスを考え形が崩れないようにストレートと、アクセントにカーブを使って投げました。直すべきところは多いが腕が振れたし、昨日よりはよかったと思う。低めに、もうボール一個分集めなければならないのですが、審判の方に見てもらってゾーンを確認しましたが、考えていたゾーンと重なっていました」と、落ち着きを取り戻していたようである。 50歳までプレーした中日のレジェンド左腕、山本昌氏も、「基本的に新人を戦力計算には入れることはできない」という持論を展開した上で、「あのボールの力と、球質ならやれる。大崩れしそうにない」と絶賛。「ここから投げ込みながら、低めに集めることができるかどうか。またカーブが特徴的だが、あのボールでしっかりとカウントを取れるなら面白い。フォークのような落ちるボールがないのが不安だが、まだ投げていない鋭く落ちるカットボールがあるとも聞いている。故障なく、キャンプを順調に乗り越えることができれば、ローテに入ってくると思う」 この日、山本昌が、テレビ局の仕事で柳をインタビューをした際には、「キャンプは、どんなペースでやればいいのか」と逆に質問を受けて、「プロのキャンプは初めてなんだから、ちょっとでも体がおかしいと思うと、すぐにトレーナーに報告しなさい。とにかく焦らないこと。3月に入ってボールを投げることができていれば、あなたの力があるならいけるから」と、貴重なアドバイスと共に太鼓判を押した。 山本昌氏の眼力には定評があり、昨春キャンプでは、巨人・菅野智之のピッチング練習の1球目を見ただけで「今年は勝てる」と予告していたほど。東京6大学で史上15人目となる通算300奪三振を記録、ドラフトでは横浜DeNAと競合した大型右腕は、レジェンド左腕の目に「使える」と映ったようである。 中日のブルペンでは、エース、吉見一起(32)、山井大介(38)らベテランがハイペースで投げ込んでいて、この日は2人の新外国人投手に刺激を受けたのか、バルデス、ジョーダンも、初ブルペン入りするなど活気づいていた。昨年、2桁勝利投手が一人もいなかった中日の投手王国再建へ。柳が面白い存在になりそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)