【高校野球】角館の孝行息子・高橋颯羽投手が能代松陽を3安打完封
◇高校野球春季秋田県大会 ▽2回戦 角館1-0能代松陽(12日・さきがけ八橋) 秋田県大会の2回戦では、角館の先発・高橋颯羽(そうう)投手(3年)が能代松陽を3安打完封。1―0で勝利した。 9回2死、最後の打者を空振り三振に仕留めると、角館・高橋颯はマウンド上でグラブをパンッとたたき、小さくほえた。甲子園出場経験のある能代松陽に、三塁を一度も踏ませず。散発3安打とほぼ完ぺきな投球を見せた左腕は「率直に勝ててうれしいです」と喜んだ。 右足を高く上げる投球フォームから、持ち味のシュート回転する直球を中心に、カーブやカットボール、チェンジアップを織り交ぜ凡打の山を築いた。「(相手は)コンタクト率が高い。打たせる投球でアウトを重ねて行きました。思い通りにボールを投げることができて良かった」とうなずいた。湯沢淳監督も「松陽さん相手によく頑張ったと思います」とねぎらった。 母の日にスタンドで観戦した母・和子さんを喜ばせる勝利だ。母によると、「プレゼント」はこれが初めてではないという。小学校高学年だったある日、ホットケーキを作って和子さんを待っていたことがあった。ホイップクリームやイチゴなどで飾り付けされた、手の込んだものだった。和子さんは「多分自分の分を作ったついででしょうけど(笑い)。うれしかったですね」と笑った。 母が見守る前で圧巻の投球を披露した最速139キロ左腕は「(母には)いつもお弁当を作ってもらっている。良いところを見せる事ができたし、勝って親孝行ができたと思います」と白い歯を見せた。3回戦では秋田南(18日・さきがけ八橋)と対戦する。孝行息子が、再びチームに勝利をもたらす。(太田 和樹)
報知新聞社