倉悠貴&醍醐虎汰朗&水上恒司、ヤンキー映画『OUT』で刺激的な同世代共演!「続編をやりたい、きっとできる」再会を希望
累計発行部数650万部を突破する人気ヤンキー漫画を品川ヒロシ監督が映画化した『OUT』(公開中)がスクリーンに登場する。ヤンキーたちが血気盛んに暴れまくる本作は、大いに笑って、仲間たちの絆や生々しいアクションに熱くなる一作だ。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、個性たっぷりのキャラクターを躍動感と共に演じ、それぞれが見事に新境地を開いた倉悠貴、醍醐虎汰朗、水上恒司を直撃。劇中でも仲間になっていく面々を演じた3人が、お互いの魅力や撮影の思い出を笑顔いっぱいに語り合った。 【写真を見る】倉悠貴&醍醐虎汰朗&水上恒司、仲よすぎ!終始息ぴったりの撮り下ろし写真 品川監督の中学からの友人である井口達也の青年時代を詰め込んだ実録物語を原作とした本作。“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の超不良、井口達也(倉)が少年院から出所。保護観察中の達也は、次に喧嘩をすれば一発アウトという状況。そんな彼の前に、暴走族「斬人(キリヒト)」総長の丹沢敦司(醍醐)、副総長の安倍要(水上)が現れ、暴走族の抗争に巻き込まれていく。 ■「達也役を引き受けるには、覚悟が必要だった」(倉) ――ヤンキー映画の熱気とワクワク感がギュッと詰まった映画です。皆さん、本作でこれまでに見せたことのないような姿を披露していますが、ヤンキー映画に飛び込むうえで覚悟したことがあれば教えてください。 倉「原作ファンの方がたくさんいらっしゃる作品なので、初めてオファーをいただいた時も、やはり引き受けるまでには覚悟が必要でした。僕自身はこんな感じで、まったくヤンキーではないので(苦笑)、『本当に僕で大丈夫なのかな?』と悩んだ部分もあって。受けさせていただいてからも不安はありましたが、一生懸命に準備をすることでそれを乗り越えていこうと思っていました」 ――倉さんが演じたのは、“伝説の超不良”と言われながらも、新しい仲間や家族と出会い、変化していく達也です。まっすぐな瞳からも達也の熱血ぶりが伝わってきましたが、役作りではどのような準備をしましたか? 倉「やはり達也を演じるうえでは、彼の“強さ”に説得力がないといけないので、身体作りもしました。品川監督に付き合ってもらって、毎日ジムに行ったり、アクション練習をしたり。また本作は『ドロップ』から続く物語でもあるので、『ドロップ』を観返して、『来いよ』といった彼の印象的なセリフや荒々しい部分も意識して役作りをしていきました。でもなによりも大事だったのは、気合いですね!常に『気合いを入れなければ!』と思っていました」 ――「斬人」の総長である“あっちゃん”こと丹沢敦司を演じた醍醐さんは、もともと原作がお好きだったそうですね。一見すると女の子のようにかわいいけれど、実はものすごく喧嘩が強い“あっちゃん”にはどんな印象を持っていましたか? 醍醐「原作は学生時代から好きで、もともと愛読していました。なかでもあっちゃんは、好きなキャラクターです。僕自身も小柄なほうなので、大きくて強いキャラクターより、あっちゃんのように“小さいけれど強い”とか、はたまた“弱いけど一生懸命に頑張る”というキャラクターに、よく感情移入をしています。今回好きなキャラクターを演じることになりましたが、プレッシャーというよりも『やったぜ!』という喜びが大きかったです。覚悟したことでいうと、とても寒い時期の撮影だったので、寒さに立ち向かう覚悟が必要でした(笑)。全体的にみんな薄着で、中には上半身裸でいることが多いキャラクターもいます。そういった意味の過酷さもありました」 ――水上さんは、「斬人」の副総長である安倍要役を演じています。これまで見せてきた水上さんの姿と、ムキムキの肉体を持つ“ヒゲ面デカ男”と呼ばれる要とでは、かなりギャップがあります。 水上「ビジュアル的にも、これまでの僕とはまったく違う印象があると思います。声の出し方から動き方までいままでとは違った挑戦があり、それによって俳優としてたくさんの収穫もありました。演じていて、とてもおもしろい役でしたね。特にアクションで身体を動かすという意味においては、覚悟がいる役でした。僕は小学生のころから野球をやってきたことで、身体もボロボロになっている部分があって。腰と膝が悪いんです」 倉「ええ!そうだったんだ!撮影中は全然知らなかった…」 水上「だからこそ、体調管理をしっかりして臨まないといけないなと思っていました」 ■「アクションシーンは、かなり集中して挑みました」(醍醐) ――アクションシーンの迫力には、目を見張るものがありました。品川監督も「みんなボロボロだった。カッコよかった」と役者さんたちの奮闘を称えていましたが、「忘れられないものになった」と感じるアクションシーンがあれば教えてください。 倉「冒頭で達也と要がタイマンを張るシーンも、クライマックスで賢三と戦うシーンも、とても印象に残っています。品川監督はアクション好きな人が観ても納得するようなものにしたいという想いから、一つ一つの動きにとてもこだわっていらっしゃいました。僕自身、この映画を観て『倉悠貴、動けるんだ』と思われたら、ちょっと怖いな…と感じるくらいの動きを見せることができたんじゃないかなと感じています。また身体の動きも大事ですが、アクションと言えどやはりお芝居なので、パンチを一つ入れるにしてもそこに感情が乗るといいなと思っていました」 ――達也と要のタイマンシーンは、最高におもしろいシーンになりましたね。 倉&水上「楽しかったよね!」 倉「もちろんアクションの動きはもともとついていたんですが、やっていくなかでお互いに『そういう感じね』『じゃあ、こうしていこうか』と対話をしているようで、その場で生まれていくものもたくさんあって。ものすごく楽しかったですね」 水上「倉悠貴は、まわりが引くくらい、自分の世界にグーッと入り込んでいる時があるんですよ(笑)」 倉「それを言うなら、僕だって思っていたよ(笑)!撮影前に、水上がドスの効いた声で本読みを始めた時は、ビビったもん!」 水上「お互いに『ヤバいやつだ!』と思っていたね(笑)」 醍醐「あはは!この2人は、いつもこうやって絡み合って。仲がいいんですよ(笑)」 水上「『ちょっと休憩をしようかな』と思っていても、倉くんが『手を合わせてくれない?』と言ってきて。『こうして、こうするか』と自分が満足したら、『よし!ありがとう!』って去っていく。マイペースですよね(笑)。練習したいという想いが湧き上がってきちゃうんでしょうね」 倉「本番までできるだけ高めていきたいなという想いはありましたね。お手合わせ、ありがとう(笑)!」 ――あっちゃんの屋上でのアクションシーンも、とても印象的です。実際に、屋上の端っこギリギリの場所で撮影をしたそうです。 醍醐「気を抜いたら大変なことになるな、と感じるような緊張感があるシーンでした。もちろんロープで固定してもらっているんですが、いつなにが起きるともわからない。かなり集中しないといけないなと思っていました。そのシーン以外にも、全体を通してアクションシーンがとても多かったので、少しでも気を抜くと怪我にもつながってしまうなと。しっかりと自分のシーンに集中して『よっしゃ!』と気合を入れて、撮影に挑んでいました」 ――あっちゃんの“舞うように戦う”アクションを体現されていましたが、品川監督は醍醐さんが30分でバク転ができるようになったことにも驚いていました。 醍醐「たまたまです(笑)!」 倉「醍醐くんは、抜群に運動神経がいいんですよね」 ■「またみんなで集まって、ヒーヒー言いたい」(水上) ――同世代だからこそ、それぞれ新境地を開くような役柄で共演をし、お互いの才能に嫉妬したことや刺激を受けたことがあれば教えてください。 倉「あっちゃんも要も漫画のキャラクターらしい役柄ではありますが、2人ともそれを地に足をつけて演じていて、すごいなと思いました。あっちゃんのギャップには、驚かされましたね。細やかでしなやかなアクションをやったかと思えば、ぶっ飛んだ目をしてみたりと、醍醐虎汰朗じゃないとできない芝居だなと思って、嫉妬しました。また僕は、水上くんのように声までを変えてお芝居をしたことはほとんどありません。水上くんは声も身体もどんどん、自分の思う要像に近づけていました。クランクイン前に一緒にトレーニングをしている時も、初めは静かに『おはようございます』という感じだったのに、どんどん『おら!行くぞ!』みたいな感じになっていって(笑)、こうやって役に入り込んでいくタイプなんだなと感心しながら見ていました」 水上「要を演じるうえでは声や身体も変化させましたが、原作ファンの方が見たらきっと『違うな』と感じる部分があると思うんです。でも僕たちは、実写だからこそできることをやればいいんだなと思っていました。そういった意味だと、倉くんが演じた達也からは、“人を愛する”という心根が見えたような気がしていて。達也が千紘を見る目なんて、『コイツ!恋しやがって!』と思わされるものでしたから(笑)!本作が女性や幅広い世代の人が観てもおもしろいと感じられるものになったのは、倉くんが達也をやったからなんじゃないかなと思っています」 倉「おおー!いいこと言うじゃん!」 水上「ちょっとはね(笑)! 醍醐くんに関しては、持っている素質がまったくあっちゃんとは違うのに、あっちゃんとしての説得力があったなと感じています。身体は要のほうが大きいし、強そうに見えるけれど、要はあっちゃんを慕っている。劇中で周りがあっちゃんを立てている様子からも、彼の強さが伝わりますよね。現場で醍醐くんのアクロバティックなアクションを見ていると、自然とみんなあっちゃんを慕う気持ちになっていたように思います」 醍醐「僕は、倉くんはものすごくいい目をするなと思って見ていました。達也が真剣になにかを訴えている時もそうですが、悲しい想いを抱えている時にも、観ているこちらに刺さってくるようなステキな目をしていて。シンプルにうらやましいなと思いました。水上くんは、自分のやるべきことをしっかりと見つけられる人。いろいろと足し算や引き算をしていくなかで、要を演じるにはこのくらいがいいということを発見して、それを一貫してやりきった。要の眉間のシワに、ぜひ注目してほしいんですよ!アクションをしている時でも、そのシワがしっかりと刻まれているので(笑)!僕はアクション中でも表情に意識を向けられていたかなと、思ったりもしました」 ――こうしてお話を伺っていてもとても仲が良く、最高のチームワークを育んだことが伝わってきます。このメンバーが同世代にいるのは心強いことでしょうか。 倉「『OUT』の続編をやりたい、きっとできる…と思っているので、またご一緒するはずです(笑)!ほかの作品でもまた会うことになる2人だと思うので、その時にどういう一面を見せてくれるのかすごく楽しみです。今回は異種格闘技のような映画だったので、次のフィールドで会ったら2人がどのような感じになっているのか…。めちゃめちゃ楽しみですね!」 醍醐「こういう作風だったからというのもありますが、やっぱり一緒にいると楽しいんですよ。現場にいると自然と『仲間って大事だ』という気持ちになれたし、2人を頼ることもできるし、無駄な気遣いもしなくていい。自分が好きだと思える現場にいられて、とても幸せでした」 水上「僕は同世代だらけの舞台挨拶というのは、本作で初めて経験しました。いつもはたいてい、年上の俳優さんたちと一緒だったんです。そういった意味でも新鮮でしたし、本作の初号試写を観て、なんだかみんなに会いたくなって。プロとしてはどうなのかという話なんですが、またみんなで集まって、ヒーヒー言いたいなと心から思いました」 倉「僕は今回、達也という役をやらせていただいたからこそ、派生して今後につながっていく役もきっとたくさんあるのではないかと感じています。役者人生としても大きな経験になりましたし、品川監督の姿を間近で見られたこともすごくうれしくて。これからの糧になる作品になったなと思っています」 取材・文/成田おり枝