平畠啓史チョイス“至極の11人”|持ち前の技術をゴールに結びつける荒木が見たかったんだ! 平河の足の回転数は漫画の域【J1月間ベストイレブン2・3月】
宇佐美が決めるとチームが勢いづく
攻撃的なMFの右には町田の平河悠。スピードを生み出す足の回転数は漫画の域で、加速が素晴らしい。ステップが細かいがゆえに速い選手にありがちなボールタッチが大きくなることもほとんどない。あまりスペースのないエリアでもスピード感あるプレーが可能。 映像処理能力優れているので、同じ1秒でも人よりコマ数を多く見ることができるのではないか? と以前から勝手に推測している。ゆえに、スピードに乗った状態でもプレーが正確だ。5節・鳥栖戦での3アシストには平河の魅力が詰まっていた。 左サイドには鹿島のチャヴリッチ。プレーの引き出しが多く、左サイドに配置されるとその持ち味がさらに発揮されるようになった。他の選手とのコンビネーションが上がれば、さらに魅力的なプレーを見られそうな気配。 出場時間のこともあり、今回のベストイレブンでは選出しなかったが、外国籍の新戦力では川崎のエリソン、C大阪のヴィトール・ブエノは期待感十分。注目していきたい。 中央にはG大阪の宇佐美貴史とFC東京の荒木遼太郎。開幕3試合連続ゴールの宇佐美。やはり、この選手がゴールを決めるとチームが勢いづく。開幕戦、町田戦のFKは見事。蹴った後に手応え、いや“足応え”を感じて走り出す姿が実に良かった。 5試合で4ゴールの荒木。そうなんだ。この荒木が見たかったんだ! 持ち前の技術をゴールに結びつけていく荒木。相手に警戒されても、一瞬の隙を見逃すことはない。10ゴールを決めた2021シーズン以上の活躍を今シーズンは期待したい。 1トップで今回のMVPは磐田のジャーメイン良。川崎戦の4ゴールを含む5試合5ゴール。両手を広げて、俺のところにボールを運んで来い! というようなフォワードではない。献身的な守備も厭わず、サイドに流れて起点を作り、裏にも抜け出す。昇格を勝ち取った昨シーズンの磐田の戦いのなかでも、ジャーメインの活躍は欠かせないものだった。 そして、J1でも昨シーズンと変わらぬ活躍。周りの選手とうまく関わりながら、得点も奪えるジャーメインを今回はMVPに。 取材・文●平畠啓史