「また登りたい山がある」プロ16年目の石川遼に独占インタビュー!
プロ16年目となる石川遼。昨シーズンは未勝利に終わったものの「いい年だった」と23年を振り返った。彼からみた松山英樹の魅力やゴルフ界の今後について、「週刊ゴルフダイジェスト」2月6日号で掲載しきれなかった分を「みんゴル」でお届け!
石川遼と松山英樹の共通項は“高いスタンダード”
――昨年末、松山英樹にインタビューしたとき、『高校時代の石川遼に衝撃を受けて上を目指した』と語っていた。また、松山自身は、自分のスウィングは14年のほうがよかったと話しています。それについて、石川はどう感じているのか。 石川 そうですか。14年は英樹がまだ日本にいたときで、たぶんドローを打てていたというのがあると思います。チラッと話をしたことがありますけど、アメリカに行ってから、ドローのイメージで打ってもちょっとフェードするみたいなんです。自分の球は自分でコントロールしたいのに。 そもそも彼はすごくスタンダードが高い。でも、「そこに達していないから自分はダメなんだ」と自信を失うのではなく、「そこに達してないから仕方ない」というふうに考えられるんです。ダメだと言いながら、へへへと笑っているところが英樹の魅力だと思います。
スタンダードが高いので、いつも満足気には見えなくて不満気で、コメントにもそれが出るから与える印象もそうなるけど、「しゃあない」という感じはあると思いますよ。 本人の中では、マジでヤバイと思っていたり焦ったりもしているかもしれないけど、それが少なくとも周りには伝わらない。そこが英樹の魅力というかすごい部分だと思う。自分に対しての期待感が高くて、ちょっとしたことでは満足しない選手には、そういうメンタルを持っている人が多いんです。そして、自分でそのあとにどう処理していくかということも、ゴルフには求められる部分だと思うんですよね。 ――石川も十分、スタンダードは高いように見える。 石川 そうですかね。僕は基本的に練習ベースなので、試合では仕方ないなと思うことが多いんです。コントロールできないことも多いので。ただ練習は、僕が一番フォーカスしていること。準備段階で上手くいってないことにはすごく不満を感じる。試合で上手くいかなかったことはすべて練習に回していきますしね。 逆に試合は、なるべく楽しい場所でありたい。ずっと昔から試合が一番楽しかった。試合で勝ったときに怒られることも、負けたときに褒められることもあったし、試合ってよくわからないものなんだなというマインドが僕のなかに培われた。ジュニアの大会は1日だけの試合もあるから、それで1位がよくて2位がダメとなるのは可哀想ですよ。最終的にはプロの舞台での勝負なんですから。そこは父親に感謝しています。ジュニア時代、成績についてはまったく言われなかった。