沢口靖子が9年ぶりゴジラ映画のヒロイン いまや〝都市伝説〟の負傷エピソード、ジャッキー・チェン「プロジェクトA」も公開
【「1984」エンタメプレイバック】 今から40年前、〝劇場型犯罪〟と呼ばれた「グリコ・森永事件」が世間を震撼させ、福澤諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石の新札が誕生し、特殊浴場がソープランドに改称された1984(昭和59)年。エンタメ界では何が起きていたのか。 【写真】沢口靖子からドラマ出演決定を知らされて泣きだした永尾柚乃。沢口靖子が大ファンだ この年の映画界で配給収入ランキングで1位となったのは32億円を稼いだ「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」だった。邦画では「里見八犬伝」が23・2億円でトップ、全体でも2位となった。 ゴジラ誕生30周年の記念作品として、12月15日に公開された「ゴジラ」(橋本幸治監督)は、75年の「メカゴジラの逆襲」以来、9年ぶりのゴジラ映画だった。 ヒロインを演じた沢口靖子は、この年、第1回「東宝シンデレラ」で3万1653人の中からグランプリに選ばれて芸能界入り。映画「刑事物語3 潮騒の詩」で女優デビューを果たしたばかりだった。 劇中では、ゴジラが有楽町マリオンを破壊するシーンが存在するが、これはシリーズ第1作「ゴジラ」(54年)でゴジラが日本劇場を破壊するシーンとの対比になっている。とはいえ、マリオンの竣工(しゅんこう)はこの年の9月だけに、誕生してすぐに壊されてしまったわけだ。 2月に公開された「トワイライト・ゾーン/超次元の体験」は、ジョン・ランディスやスティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ミラーらが手がけたオムニバス映画だが、不慮の事故で話題を集めることに。 ベトナム戦争のシーンを撮影中に、ビック・モローと2人の子役が落下したヘリコプターのローターに巻き込まれる事故で死亡したのだ。テレビドラマ「コンバット」のサンダース軍曹で日本でも人気だったモローの死は衝撃だった。 カンフースターのジャッキー・チェンの代表作である「プロジェクトA」もこの年の公開だ。 もっとも有名な時計台からの落下シーンをめぐっては、ジャッキーが落下によって首を負傷しながらも、病院から戻ってくるとさらに2度も撮影にトライしたというエピソードで知られる。しかしスタントマンによる映像だったとの説もあり、すでに〝都市伝説〟化している。 「風の谷のナウシカ」(宮﨑駿監督)のシンボルテーマソングを歌っていたのは安田成美。CMで流れていたこの曲を覚えている人も多いだろう。
■ゴジラ 1984年12月15日に公開されたゴジラシリーズの第16作。特技監督は中野昭慶。石坂浩二やかまやつひろし、武田鉄矢らがカメオ出演している。