のん「監督のイライラは自分の演技のせい?」 ぐるぐる考えた過去と、楽になった今
経験を重ねて、自分の「できない」が見えるように ――telling,の読者は、仕事でもプライベートでも転換期を迎える人の多い年代です。一方で周囲から「変わらなければいけない」とプレッシャーを感じるという声もあります。たとえば頑張りたいのに「そんなに仕事ばかりしていていいの?」と声をかけられてモヤモヤすることが……。 のん: ああ、わかります。私も今年のお正月、家族に会ったときに「結婚とか考えてないの?」と聞かれて。ちょっと半分無視したんですけど(笑)。 もし、声をかけられてモヤモヤするのなら、あまり耳を傾けなくてもいいんじゃないかな。年齢を重ねても人はそんなには変わらないし、頑張りたいのはその人の自由。私は、経験を重ねてきた今だからこそ、これからの自分がどんどん良くなっていく予感がする。以前は「絶対にお芝居で生きていくんだ」と力んでいたから、自分の演技に対してやたらと自信を持っていました。でも今なら自分のできないことも冷静にわかるし、課題をしらみつぶしにこなしていけば自分はどんどん良くなる、とも思えます。 ――「これからの自分がどんどん良くなっていく予感がする」というのが素敵ですね。「耳を傾けなくてもいい」と思うと少し気が楽になります。 のん: もちろん、自分のことを心配してくれている人の声を100パーセント否定すべきではなくて。「そうか、人はこういう感覚なんだ。自分とは違うんだな」と、違いを見つけてハッとする。違いを知ったうえで、自分らしい生き方、人との付き合い方を見つけられたらいいですよね。 ――これからのんさんが、やってみたいことはありますか? のん: 今は散歩をしたいなと思っています。以前はしていたのですが、最近は疲労もあって、あまりそういう時間がもてなかったんです。街をぶらぶらして「こんな人がいるんだな」と、日常のいろいろなことに気づけるような時間をつくりたいです。 スタイリスト:町野泉美 ヘアメイク:菅野史絵