「公務員は大変だよ……」と言われましたが、給与面でいえば一般企業より多いはず!平均年収や退職金はどのくらいですか?
何かと安定していることが話題となる公務員の待遇ですが、実際どれくらいの待遇となっているか、知っている人はあまり多くないでしょう。 また「高給取り」とも言われることもある公務員の平均年収や退職金は、一般企業と比較して、どうなっているのでしょうか。確認していきます。
公務員の平均年収や退職金はどれくらい?
総務省の公開している「令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によれば、地方公務員の平均年収は637万円程度だと推測できます(全地方公共団体の「一般行政職」における給与月額合計を12倍し、期末手当と勤勉手当を加えて推測)。 そして、退職金は2208万7000円と推測されます(全地方公共団体の「一般職員のうち一般行政職員」、かつ、「25年以上勤続後の定年退職等」の数値)。 実際にはどの地方公共団体で働くか、またどのような職種で働くかによっても異なりますが、平均的な公務員の年収や退職金は、おおむね上記のように考えていいでしょう。
一般企業の平均的な年収や退職金は?
中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査」によれば、平均的な一般企業の年収は780万3600円と推測されます(大学卒、事務・技術労働者、総合職相当の平均月収を12倍し、令和2年年末・令和3年夏季一時金を加えた額)。 また、退職金は定年退職の場合で、2563万9000円となります(大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、会社都合の場合)。公務員と比較すると、年収も退職金も若干一般企業の方が統計上高くなっていますが、ほぼ同様の水準にあります。 それもそのはずで、公務員の給与は民間企業を基準に決められているからです。そのため、多少の差はあれ、民間と公務員とでは大きく収入に差がつかないようになっています。ただし、公務員も職種や自治体などによって待遇が異なり、民間より大変なこともあります。「公務員は大変」という方は、そういった面で苦労している可能性が高いです。
なぜ公務員は高給なイメージがあるのか
なぜ多くの方が「公務員は高給」というイメージを持つのでしょうか。 いくつか理由は考えられますが、一つは安定性です。不景気で民間の給与や賞与が振るわないときであっても、公務員の給与や賞与は、ある程度安定して、例年どおりの額が支給されます。 また、ある程度安定している規模の一般企業の給与水準を基に、待遇が決まっている面もあるため、中小企業や零細企業の待遇からすると、給与面で優遇されているように感じられることもあるかもしれません。 現在は厚生年金に一本化されていますが、過去には公務員特有の年金制度である「共済年金」というものもあり、不平等だとの声も上がっていました。そういった社会の声が反映され、今日まで「公務員は給与が一般企業よりも多い」という印象を持たれているのだと推測できます。