被害拡大を懸念「ナラ枯れ」の原因となる虫が急増 去年道内初確認
ミズナラなどの木が大量に枯れる「ナラ枯れ」。去年、その原因となる虫が道内で初めて確認されましたが、ことしはその虫の数が急増したことがわかり、道は情報提供を呼び掛けています。 ナラ枯れは、「カシノナガキクイムシ」という体長5ミリほどの虫が持つ病原菌「ナラ菌」に感染しミズナラなどの木が枯れる現象で、林業への影響や倒木被害が懸念されています。 温暖化の影響で被害地域が北上し、去年、道内で初めて、道南の松前町と福島町で合わせて15本の「ナラ枯れ」が確認されました。道などは先月、道南の6つの町の30カ所で生息域を調査し、きのう、その結果が発表されました。 去年の調査では確認されなかった知内町・木古内町を含む4つの町の15カ所で119匹が確認されました。去年の17匹に比べ7倍に増えています。 道水産林務部林務局笹岡英二課長「急激に(個体数が)増えているので被害木の数や被害の範囲が広がっていることについてわれわれとしても懸念している」 ミズナラはヒグマのエサとなるドングリがなることから、ナラ枯れの拡大がヒグマの出没増加を招く懸念もあります。 ナラ枯れの被害を受けた木は葉の色が茶色に変色したり、木の根元に木の粉が溜まっていたりするということで、道は情報提供を呼び掛けています。また23日には専門家を集めた対策会議を開くことにしています。