間に合う?万博開幕まで半年 タイプAパビリオン まだ2つ施工業者決まらず 半数以上が外観完成10月中旬に間に合わず
■1000分の1の万博会場の模型 「一番難儀やったのは西陣織、、海外パビリオンはまだまだこれから」
石田龍生さん:ミシン糸に色をつけて、貼っていったんです。1本ずつ。 奈良県橿原市に住む、石田龍生さん(60)。 作っているのは、1000分の1の大きさで再現した、万博会場の模型だ。 石田龍生さん:リングは全部、牛乳パックなんですよ。牛乳パックを1ミリサイズにカットして、各サイズごとに切っていって。これを作るだけで、ひと月超えてました。 これまでにも、甲子園球場や、ドジャー・スタジアム…。5年前から趣味で模型を作ってきた。材料は牛乳パックや色画用紙など、身近なものばかり。 世界的なイベントの万博も気合が入る。 石田龍生さん:一番難儀やったのは、西陣織のパビリオン。(柄は)実際のパビリオンの写真を、縮尺1000の1まで下げて、付けています。 丸い形が特徴的なスイスや、筒形の塔が並ぶドイツのパビリオンなど、発表されているイメージ図を元に作った。 石田龍生さん:海外の(パビリオン)も、ほとんどができてない状態ですから。まだこれからやと思います。あれ、これちょっと形が相当違うとなったら、もう一回やるわとなるかも分かりません。 石田さんの模型の完成にはまだまだ時間がかかりそうだが、実際の工事現場はいま、どんな状況なのだろうか。
■海外の職人と日本の職人との共同作業でつくる「万博でないと味わえない建築」
万博の「華」。各国が独自の建物を建てる「タイプA」は、44のパビリオンで工事が始まっていた。 一方で、まだ2つのパビリオンの施工業者が決まっていない。 そんな中、急ピッチで工事が進められているパビリオンの内部に、関西テレビ・吉原キャスターが潜入した。 吉原功兼キャスター:うわー!迫力あるなー!近くに行けばいくほど、迫力が増しますね。 この日、吉原キャスターが訪れたのは、会場の南側に位置する「チェコパビリオン」だ。 中央ヨーロッパの国・チェコ。らせん構造の木造建築を伝統的なアートガラスで覆うパビリオンを計画している。 中にはチェコの料理やビールを堪能できるレストランや、チェコの音楽が楽しめるコンサートホールができる予定だ。 大末建設 村尾和則社長:一枚一枚のパネルになっていて、ガラスが。らせんに合わせて取り付けていく。ねじれながら上がっていく。 吉原キャスター:らせんが外側に広がりながら、逆三角形型になっていく。 大末建設 村尾和則社長:万博でないと、そんなデザインの建設はなかなか経験できない。 外観に使われるのは、繊細な装飾が施されたチェコのアートガラス。 建物の大部分を占める木材は、チェコで加工されたもので、ここでは組み立てるだけ。 チェコからも大勢の職人がやってきて、日本の職人との共同作業で、少しでも工期を短縮する作戦だ。 吉原キャスター:日本とチェコのやり方で、建設の違いはありますか? チェコの職人 パトリク・シュタンツルさん:違いはありません。大末建設の職人との共同作業で、困難に感じたことはありません。唯一つらいのは、日本の暑い気候です。 吉原キャスター:こういう仕事は今までありませんでしたか? 大末建設の職人 谷口正悟さん:初めてです。建設業に入って初めて、英語を使って仕事をしています。めちゃくちゃ楽しいです。 吉原キャスター:仕事が終わった後に、懇親会を開いたりすることもあるんですか? 谷口正悟さん:一度食事に行って、おすしを一緒に食べて。めちゃよろこんでくれていました。 吉原キャスター:何が人気でした? 谷口正悟さん:ガリとかが…案外、ガリがみんな好きでした。 既に大枠ができ上がっている地下にも、特別に入らせてもらうことに。 吉原キャスター:おー結構、高いですね、天井。この場所はどういう場所になるんですか? 大末建設の職人:キッチン。材料を上げていく形になります。 万博が終わった後は、この建物を解体し別の場所に移築できるよう、くぎなどをほとんど使わずに建てている。 大末建設 村尾和則社長:思いのこもった、こういう建物ができるというのは、万博しか味わえない。だからどうしても携わりたかった。 吉原キャスター:万博の開幕まであと半年ですが、実際ここで目にして、どういう万博にしたいですか? チェコ政府代表 オンドジェイ・ソシュカさん:作業はまだまだ残っています。ですが万博は、色々な人が交流し、各国の文化を体験できる素晴らしいイベントになると思います。チェコのパビリオンにもご招待できることを楽しみにしています。 11月中には木材の組み立てを終え、ガラスをはめていく作業に移る。 それでも完成は来年3月というギリギリのタイミング。油断はできない状況だ。