藤田淳平(ソフトバンク育成7位)、「150キロの速球はなくてもドラフト指名」 背景にあった戦略<インディゴソックス ドラフト指名6人全員インタビュー⑥>
今年のドラフトで「11年連続指名」と史上最多の「同時6人指名」を成し遂げた四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックス。この圧倒的な実績はどこから生まれるのか。 今年指名を受けた6人のインタビューからその秘密に迫るこの企画。最後を飾るのはソフトバンク育成7位・藤田 淳平投手(川島-東亜大)である。 *********************** 【動画】藤田淳平のピッチング!! 今年で11年連続26人、チーム創立以来30人の選手をNPBに送ったインディゴソックスだが、意外にも左投手の指名は初めてだ(同時にシンクレア ジョセフ 幸之助投手<西武育成1位>も指名されている)。 藤田を一言でいうなら、「丁寧で落ち着きのある投球が魅力の投手」。安定した投球で、インディゴソックスの先発の柱として活躍した。成績は19試合に登板、うち11試合が先発、65回と2/3イニングを投げ奪三振が75個、防御率は1.51。リーグの最優秀防御率を獲得している。 藤田投手は徳島県出身。川島高校から東亜大学をへてインディゴソックス入団1年でNPB入りの夢を叶えた。そのストーリーを追っていこう。
大学では指名漏れ
徳島県出身の藤田だが、高校時代はインディゴソックスのことを知らなかった。 「高校の時はあんまり野球の世界を知ろうとしていなくて……。徳島インディゴソックスのことは全然知りませんでした。 大学は山口県の東亜大学でやらしてもらったんですけど、3年生の時に企業チームからお声をかけていただいたんです。その時に『NPBを目指そう』と決めました。でもドラフトでは指名はもらえなかったんです」 野球界は広いようで意外と狭い。NPBを目指す選手たちに、自然と“業界の噂”は入ってくるものだ。もちろん藤田にもその噂は入ってきた。 徳島インディゴソックスに入れば、何とかなる――。 「誘われていた企業チームに行くのか、育成力が高いと噂の徳島に行くか迷ったんですけど、地元ということもありますし、NPBを目指すってことに関しては徳島が1番いいのかなということで、徳島に決めました」