【トライアウト】柿木蓮、櫻井周斗、吉田凌…甲子園を沸かせたスターピッチャーたちの再チャレンジ「まだ野球やりたい。できる場所があるなら頑張りたい」
☆甲子園を沸かせた清宮キラー 日大三高時代の2年時、櫻井周斗は夏の甲子園予選の決勝で清宮幸太郎から5打席連続三振を奪い注目を浴びると、3年の選抜高校野球では履正社の安田尚憲から3打席連続三振を奪取。左腕から繰り出される必殺のスライダーを武器にDeNAに入団し、1年目の初登板で勝ち星を挙げるなど大きな期待を背負ったが、度重なる怪我にも泣かされた。2023年オフには楽天に現役ドラフトで移籍するも結果を残せず、今オフに非情通告を受けた。 この日、櫻井は12番目に登場し、元広島の曽根海成を代名詞のスライダーで見逃し三振に打ち取るも、元ロッテの菅野剛士にはフォアボールを与えて役目を終えた。 登板後は「何かを変えなきゃいけないっていうところで、制球や、変化球の精度を約1か月ずっと練習してきて、その成果が一人目で出せたのはすごい良かったなと思います」と清々しい表情で第一声。最初の奪三振には「特に左バッターだったので、自分の武器であるスライダーを最後に投げきれればいいなと思って、キャッチャーもそれにサイン出してくれたので、その通りに投げられてよかったです」と満足感を口にした。 左肘の故障もあったことにも「それも含めて、そうなった後に楽天で今年一軍に行けることになったので、そういう意味では怪我をして苦しい思いをしてからも投げられたこと、今年に関しては、そこは自分でも誇っていいと思っています。これからいい経験としていけるように今後頑張っていきたいです」と前を向いた。この先は「NPB。もちろん育成でも」とし「社会人の企業はもうちょっとお話を聞いてみて判断したい」とNPB第一の考えを示した。 それぞれ甲子園を沸かせたピッチャーたちが示した覚悟が各球団に届くことを祈りたい。 取材・文●萩原孝弘