没後10年節目に 秀水美人画美術館で回顧展【長野県飯田市】
長野県飯田市上郷飯沼出身の美人画家・浅井秀水(1919~2014)の没後10年回顧展が、同別府の秀水美人画美術館で開かれている。並べた13点のうち10点は、飯田下伊那地域の学校や施設にあるもの。普段見ることのできない作品に触れてもらおうと、同館で初お披露目した。12月5日まで。 飯田高等女学校(現飯田風越高校)時代の1934(昭和9)年、日本画を三浦晁古に師事。女子美術専門学校(現女子美術大学)日本画科に進んだ。戦争や疎開で制作活動を10年間中断し、52(同27)年から美人画の大家・伊東深水(1898~1972)に師事。55年の第11回日展に初入選、74年の第1回フランス美術展に入選した。 秀水美人画美術館を91年に建設し、翌92年に上郷町に寄贈。93~2000年には講座を開き、受講生とともに展覧会を開催した。現在は約200点を所蔵し、年4回常設展を行っている。 今展は、第122回の常設展にあたる。「三面鏡」は、1959年以前に制作したとされる作品。三面鏡を背に椅子に座っている女性を描いており、市文化財保護活用課によると「自身の画風を模索していた時期」とする。洋装の女性を題材とした「望郷」は1975年3月、母校・飯田風越高校の新校舎建設記念で寄贈したもの。ほか、仏画や美人画など多彩なジャンルを並べている。 市文化財保護活用課の浜田里美さんは「美人画の枠を超え、さまざまな女性を描いている。画法の移り変わりも楽しんでもらえれば」と来館を呼び掛けている。 午前9時半~午後5時(入館は同4時半まで)。月曜と祝日の翌日が休館。一般200円、高校生以下無料。