AIにはできない「個性」を生かす仕事に見る希望 AIやロボットの台頭で「格差が助長」と嘆く人に伝えたいこと
AIが台頭する新時代に、私たちはどのような考え方ややり方で自分を成長させればいいのでしょうか。不動産コンサルタントで、さくら事務所会長の長嶋修氏の新著『グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場』では不動産や経済市場の未来のほか、個人のあり方の変化や新しいコミュニティの価値などについても論じています。 【写真】「令和バブル大崩壊に備えよ!」と刺激的なキャッチフレーズで激動期の変化を読み解き、 来るべき未来への布石を打つための指南書 同書より一部を抜粋、再編集して3回にわたってお届けしています。3回目の今回はAI時代の仕事について考えます。
1回目:「新築住宅購入」注意したい“ゆでガエルのワナ” 2回目:これからの不動産の価値を決める“納得”の物差し ■新たな仕事のニーズ 金融リセットが起こり、同時にAIやロボットなどテクノロジーの進展により多くの人が従来型の「お金を稼ぐための労働」から解放され、「ベーシックインカム」といった制度がスタートしても、「仕事」がゼロになるわけではないでしょう。 残る仕事。それは言うまでもなく、AIやロボットなどテクノロジーには代替できない仕事です。
たとえば不動産業界の未来。 不動産を買いたいと思い立ってオンラインで不動産屋さんに問い合わせると、優秀なAIがあなたにふさわしい物件を即座に紹介してくれるのはもちろん、資金計画や、そもそも「持ち家か賃貸か」とか「どこに住むのがいいのか」といったことまで、あなたにカスタマイズした回答をしてくれます。 物件見学の際には現地のスマートキーを開けて内見。気に入って借りたい・買いたいとなればオンラインで申し込み。契約合意に至れば契約書などのやり取りはオンラインでペーパーレスは当たり前。引き渡し後は鍵が郵送されてくるかスマートキーをセッティングしてもらえば取引完了です。
不動産屋さんはこれまでひとつの契約を行う際に、役所や水道局、法務局などの官公庁を1~2日かけて回り、さらに数時間かけて契約関係書類を作成する必要がありましたが、こうした情報が一元化されデータ化されれば、ボタンをクリックするだけで瞬時に完了します。 こうして従来型の不動産営業の仕事は不要となるでしょう。不動産取引は原則、「無人・オンライン取引」ということになりそうです。 では、それほど重くはない意思決定で済む賃貸契約ならまだしも、大きな買い物である売買ではどうでしょうか。複数回の不動産取引を経験した人なら、全てAIとのやり取り、オンライン取引でも抵抗ないかもしれません。