チョコレートがもう食べられなくなる!? 深刻なカカオ豆の高騰 打開策探る企業の挑戦=浜松【現場から、】
<OCA 野澤浩樹代表> 「農家さんは、みんな収穫したラグビーボールよりも、少し小さいくらいの大きさのカカオを、一輪車であったりとか、背中に背負ってとか、籠に入れて運んだりとかしているんですよね。農家さんと話せば話すほど、もう非常に深刻でした」 目指すのは、カカオ栽培の近代化です。 <浜松総局 野田栞里記者> 「地面から顔をのぞかせているセンサーは、土の成分や温度といった情報を集めるものだということです」 収穫量や質の向上のため、注目するのはIT技術の活用です。カカオはもちろん、農業全般のカギとなる『自然』に対応しようと、2023年から生育データの収集と分析を進めています。 <OCA 野澤浩樹代表> 「相手は自然になりますから、常に変化している。あらゆるデータをキャッチして、分析して改善する方法を見出すということをしなくてはいけないと思います」 現地では、農園の変化や状況を記録し、メタバース=仮想空間での農園の再現も目指しています。遠隔管理を可能にするのが狙いです。『昔ながら』の栽培方法が続くカカオ業界を、新たなステップへ。ITの力で持続可能なカカオ栽培を目指します。 <浜松総局 野田栞里記者> 改めて、いま起きているカカオの高騰の原因です。 10年以上、チョコ作りに携わるミモザショコラトリーの渡邉代表によりますと、 ▼産地の異常気象 ▼止まらない円安 ▼カカオの木が病気になったり、代替わりをしていたりして、収穫量が減少していることなどが挙げられるということです。 <滝澤悠希キャスター> 「癒しのチョコレートになるカカオそのものが持つ力、価値って大きいですね」 <浜松総局 野田栞里記者> 取材したOCAは、チョコレートのほかに、通常だと廃棄されているカカオの皮から酒を造るなど、カカオを余すところなく使う=カカオそのものの付加価値を高めるアプローチもしています。 歴史的なカカオの高騰。産地が抱える苦い課題に対し、自分事として目を向けるきっかけにしたいと思いました。
静岡放送