静岡県中部と西部に線状降水帯 磐田・上野部川越水で「緊急安全確保」発令
梅雨前線と低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で静岡県内は28日、大気の状態が不安定になった。中部と西部では一時、線状降水帯が発生した。磐田市の上野部川では越水が確認され、市が最も高い警戒レベル5に当たる「緊急安全確保」を発令した。各地でも家屋の浸水や鉄道の乱れ、通行止めなどがあった。 気象庁の観測によると、藤枝市高根山で1時間に86・5ミリの猛烈な雨が降った。森町三倉でも1時間雨量が72ミリで、いずれも6月の観測史上最大となった。 磐田市の上野部川沿いの自動車整備工場では水が引いた同日昼ごろから、従業員が流入した泥のかき出し作業などに追われた。磐田市によると同日午後5時現在、上野部川流域の豊岡北地区を中心に床上浸水1件、床下浸水10件を確認した。 浜松市では、中央区富塚町の段子川で護岸が崩壊した。市によると、浜名区と天竜区で床下浸水を計2件、天竜区で30戸の停電を確認している。 県によると、国道や県道で雨量規制や崩土、冠水による通行止めが23カ所あった。県と静岡地方気象台は静岡市南部や磐田市、浜松市北部と南部、森町に土砂災害警戒情報を発表した。 東海道新幹線は新富士―静岡間で雨量規制により一時運転を見合わせた。東海道本線や御殿場線などでも運転の見合わせがあった。
静岡新聞社