武装盗賊に誘拐されても、あきらめなかった英男性 アフリカ大陸を走って縦断、約1万6000キロ完走
英国出身のエクストリーム・アスリート、ラス・クックさんが走ってアフリカ大陸を縦断するという挑戦を、見事完遂させた。およそ1年前に南アフリカを出発したクックさんは7日、チュニジアでランニングの最終日を迎えた。計16カ国、約1万6000キロを走破したクックさんは途中、命の危機に度々さらされた。 エクストリーム・アスリート ラス・クックさん 「ハードになるとは思っていたけど、未知の世界に行くのでどれだけハードになるかは想像もつかなかった。だがあらゆる予想以上に困難だったと言っていい。非常に難しい時が何度もあったのは明らかだ。サハラ砂漠や砂嵐、そしてこの数カ月、走行距離を延ばすのが本当に大変だった。ただやり遂げなければならない。唯一の出口は、ゴールにつくことだ」 クックさんは命の危機に度々さらされた。アンゴラでは強盗に銃を突き付けられたし、食中毒に苦しんだこともあった。だが最も過酷だったのは、コンゴでナタを持った盗賊にさらわれた時だ。「一番怖かったのは、コンゴでバイクの後ろに乗せられた時だ。自分は死ぬんだ、って思った。それでジャングルに連れていかれて、かなりヤバかった」 クックさんは最終的に計16カ国、約1万6000キロを走破した。27歳のクックさんは、チャリティーのために数十万ドルを集めた。 ゴール付近には大勢のサポーターが詰めかけ、クックさんと一緒に最後の区間を走った。ブレイク・ウォーレンさんは米国から駆けつけた。「インスタで彼がみんなを招待している投稿を見た。私はソファで横になりながら、それを見ていたけど、すぐに航空券検索アプリで探して、20分後にはチケットを買って、今ここにいる。こんなにクレイジーで歴史的な機会は逃せないと思った」 他の人たちにもソファから起き上がって、アクティブに生きるよう促すことが、自らの冒険の最終的な目的だとクックさんは言う。「人々がもっと動いてくれたら最高だ。私はスポーツを心から信じている。スポーツは私の人生を変えた。だから最も多くの人に、ランニングやあらゆるスポーツに参加するきっかけや意欲を持ってもらいたいんだ」 苦労して手に入れた休養を楽しむことは、直近のやることリストの1つに入っているが、過酷なランニングを引退するつもりはないという。「しばらくの間、走りの欲求は満たしたつもりだが、すぐにまたいくつかの計画を立て始めるかもしれない。アイデアはいっぱいあるんだ」