高橋李依の“緩急ある演技”に振り回される私たち

　『この素晴らしい世界に祝福を！』のめぐみんや『魔法つかいプリキュア！』の朝日奈みらい／キュアミラクル役のように負けん気の強いキャラクターを演じることもあれば、それこそエミリアのような健気で天然なキャラクターを演じることもあり、力強い声から落ち着いたトーンまで幅広いレンジに対応できるオールマイティーさには目を見張るものがある。 　これら作品に共通するのは、キャラクターの見た目や性格がどうであれ、高橋が演じるキャラクターには“絶対的ヒロイン像”があるということだ。特にそれを強く感じたのが『からかい上手の高木さん』の高木さんである。高木さんは文武両道の優等生だが、隣の席の至って平凡な男子中学生の西片を事あるごとにからかって楽しんでいる。西片へのまっすぐな好意を向けたかと思えば、時にはいたずらっぽい笑みを浮かべたり、意地悪をしてみたり、高木さんは色とりどりの表情を見せるのだが、その緩急ある高橋の演技に、私たちは一喜一憂して、西片と同じように振り回されるのだ。 　手のひらで転がされてもいいと思えてしまえるのは、やはり高橋の声にリアルな息遣いが感じられるからだろう。それは『リゼロ』のエミリアも同じである。キャラクターの性格を機敏にキャッチし、演技に落とし込む能力に長けているからこそ、魅力的なヒロインとして成り立っている。 　2025年も『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』や『ハニーレモンソーダ』など、話題作への出演がアナウンスされている。2025年も高橋の快進撃が続いていきそうだ。