村上春樹「日本語の歌詞をじっくり聴くのも、たまにはいいものですね」原由子、高田渡…“日本語”楽曲特集を振り返る
<クロージング曲> Quincy Jones「Setembro (Brazilian Wedding Song)」
日本語の歌詞をじっくり聴くのも、たまにはいいものですね。お楽しみいただけましたでしょうか? 今日のクロージング音楽はクインシー・ジョーンズの演奏する「セテンブロ」です。美しいメロディーですね。副題は「ブラジリアン・ウェディング・ソング」となっています。 * 今日の言葉は寺山修司さんの言葉です。さっきかけた「ふしあわせという名の猫」の歌詞を書いた寺山修司さんです。 花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ 実はこれは寺山さんの作った詩ではありません。古い中国の漢詩を、井伏鱒二さんが意訳したものです。でも寺山さんが紹介して有名になりました。僕も大学生のときに寺山さんの本を読んでこの言葉を初めて知りました。人生のつらい局面を、この詩の一節に何度も助けられて生きてきたと、寺山さんはどこかで告白していました。 そして彼はその「返歌」というのでもないけど、これと対になるリリックを残しています。こちらは寺山さんのオリジナルです。 さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう いいですね。また来る春を待ちましょう。それではまた来月。 (TOKYO FM「村上RADIO~今日はすべて日本語の歌詞です~」2024年2月25日(日)放送より)