食欲がない、元気がない、ぐったりしている…とにかく冷やして病院へ 死亡リスク高める犬の熱中症は予防が重要 飲み水切らさず室温管理、冷感グッズの活用も
猛暑が続く中、人間だけでなくペットの熱中症対策にも関心が高まっている。鹿児島市内のペット用品店では、冷感グッズの売り上げが好調だ。専門家は、特に犬は暑さに弱いとして、留守番時の空調使用など予防の重要性を呼びかける。 【写真】保冷剤が入れられるバンダナを手にする従業員=鹿児島市のペテモ鹿児島店
同市のイオンモール鹿児島にあるペテモ鹿児島店では7月、接触冷感素材を使ったマットなど冷感グッズの売り上げが昨年の1.6倍に上った。保冷剤を入れられるバンダナや、犬の体液に近いイオンバランス飲料などが好調だという。常にきれいな水が飲める自動給水器も人気だった。 アスファルトの熱や日光を遮ろうと、ペットカートを求める人もいる。従業員の住吉奈央さん(32)は「夏休みでペットと一緒に出かける機会が多いため、屋外で使うグッズがよく売れている印象」と話した。 同市のにし動物病院の西洋志院長(51)は「特に犬は熱中症による死亡リスクが高い」と注意を呼びかける。犬はハアハアと舌を出して速く呼吸する「パンティング」で体温を下げるが、ブルドッグやパグといった鼻が短い短頭種は体温調節が苦手。肥満や高齢、呼吸器疾患のある犬も注意が必要だ。 熱中症になると、意識がもうろうとする、食欲がない、元気がない、ぐったりするといった症状が出る。西院長は「とにかく冷やして、早めに動物病院を受診してほしい」と話す。人間と同様に、首や足の付け根などをタオルでくるんだ保冷剤や水で冷やし、扇風機の風を当てると良い。
予防が重要だ。散歩は涼しい時間帯に行い、パンティングが激しくなるようだったら切り上げる。留守番させる時はエアコンを設定温度26~27度でつけたままにし、飲み水を切らさないよう用意しておく。西院長は「湿度にも気をつけ、扇風機を使って空気の流れを作ることも大切。外出時も短時間でも車内に置き去りにすると危険。残暑が続く10月ごろまでは警戒して」と訴える。
南日本新聞 | 鹿児島