【独自】蓮舫「私ほどふさわしい人はいない」 国際都市・東京のトップを目指す理由【単独インタビュー】
■「私にはできます」 ――公約は後日発表するとしていますが、都知事として何をやりたいのか、具体的に教えてください。 もちろんプランはありますし、私はリアルに実現できる政策を公約として掲げます。ただ、具体的な公約発表のタイミングは、選挙戦略に大きくかかわります。ですから、もう少しお待ちください。皆さんがワクワクする公約を準備しているので。 私は20年間、行政改革にこだわってきました。国の16.6兆円もの基金を洗い続けてきたわけです。それに対して、東京都の一般会計予算はその約半分の8兆円強。私にはできます。 ■台湾と日本の2つの文化で育ったからこそ ――蓮舫都知事が誕生すると、都民の生活はどう変わりますか。 まず、蓮舫による行財政改革で財源が生まれます。この蓮舫行政改革により生まれる果実を都民の皆さんが求める、より効果的な政策に使っていきます。 他の地方自治体から見て「豊か」「独り勝ち」と言われる東京都ですが、生活者の実感としては物価が高く、家賃も習い事も高く、中間層の可処分所得は他の自治体に比べてさほど豊かではない実態があります。さらに格差も大きい。この格差是正は最も早く手を付けなければならない課題の一つです。格差は一世代で終わりではなく、再生産されています。連鎖から抜けられなくなる子どもたちを出さないために、早く底上げをしなければなりません。 私は日本と台湾、二つの文化の中で育ちました。互いの文化を尊重し合って多様性を伸ばしていく教育や環境、ビジネスのあり方などを理解する力も、誰よりも持っている自負があります。ダイバーシティーが求められる国際都市・東京のトップとして私ほどふさわしい人はいないと思っています。
■卒婚して1人になったら、肩の力が抜けた ――蓮舫さんのキャリアは、働く女性の一つのモデルケースでもあったと思います。ワーキングウーマンも多いAERAの読者に、働く女性のひとりとしてメッセージを。 働く女性と言っても、いろいろな形があります。ダイバーシティーの中で上を目指すプレッシャーと闘っている人もいる。パート・アルバイトで働かざるを得ない環境で不安を感じている人もいる。「1人で暮らす」という選択も普通になってきたかもしれないけれど、そこには将来の不安という新しいプレッシャーが入ってきました。みんなそれぞれ状況が違うので、単一のメッセージを伝えるのは難しいけれど、どこかで諦めてもいいというか、力の抜き方を覚えてほしいなと思います。 私、2020年に卒婚して1人になってよくわかったんです。家族の将来のために私が頑張らなきゃいけないみたいなプレッシャーから解放されて、すごく楽になって、なんだ、自分のことだけ考えてればいいじゃんって(笑)。そう思うと仕事に余裕ができたし、肩の力が抜けて国会質問でも余白ができました。 みんな頑張ってきた経験は自分の中にあるんです。それ以上に無理をして頑張らなくていいんだと思うようになりました。キャリアとかそういうことじゃなくて、自分の生き方の豊かさを一番大切に考えていいと思います。 ■背伸びせずに、いま持っているスキルで臨む ――「強い」「怖い」とも言われる蓮舫さんのキャラクターからは意外な言葉です。 よく辻元清美さんと合わせて「あの2人、怖いよね」って言われてきました。笑っただけで「何か企んでいる」って言われてね(笑)。私、国会の予算委員会では80分間くらい質問してるんです。その間、本当は総理と笑い合っている場面だってあるんですよ。でも、ニュースで使われるのは怒っているような10秒だけですから。 私はこれから都知事を目指しますが、それは無理をするということではありません。いま持っているスキルで対応できますから。財政の洗い方も、それぞれの世代の都民がどんなことを求めているのかということも見えている。そこに答えを見つけていくのは背伸びをすることではないんだと思っています。 (構成 編集部 川口 穣)
川口穣