次の投資先はどこを狙う?EVやハイテク家電に使用されるパワー半導体に伸びしろあり!業界紙編集長に聞く
長期的投資を狙うならダイヤモンド半導体に期待
NVIDIAの株価の爆上がりもあり、新NISAをきっかけに投資をスタートする層にも人気なのが半導体銘柄だ。『電子デバイス産業新聞』の稲葉雅巳編集長も、半導体需要が1段、2段上がっていると言う。 【ランキング】外貨預金サービスの顧客満足度が高い銀行TOP3、3位auじぶん銀行、2位住信SBIネット銀行、1位は?グラフで調査結果を見る! 「実需のベースで切り上がったことに加え、戦争や政治、国際関係の緊張といった地政学リスクが増大していることにより、戦略物資もしくは経済安全保障の要として半導体が位置づけられているような形で、急速に注目度が高まっているという背景もあります」(稲葉さん) クルマやパソコン、スマートフォンが売れるから半導体の需要が伸びるという今までの構図以外に、従来あまり関連のなかった、国家政策による大規模な半導体投資や半導体需要が生み出される新しい潮流も、半導体の活況を後押ししていると言う。さらに今後の伸びが期待できる分野が、生成AI関連。 「NVIDIAのような企業が手がける、生成AI用の半導体やAI用のGPUを生産するうえでの関連銘柄として、製造装置や電子材料があります。付加価値の高いものが多く、株式市場でも注目を集めています」 EV(Electric Vehicle)に関連した半導体メーカーにも安定感がある。 「EVが電子部品や半導体のかたまりになってきている流れがあり、自動車の生産台数が変わらないにしろ、1台当たりに積まれる半導体の数が増えれば、半導体業界も伸びるという図式になっています。 足もとでは、ハイブリッド車へのゆり戻しもありますが、電動化や自動運転という流れの大枠は大きく変わらないと思いますから、ここに対してはポジティブな見方を持ってもいいと思います」(稲葉さん) さらにEV台頭とのリンクもあり、急速に株価を上げているのが、半導体の材料を作るメーカーだ。 「EVの半導体として躍進しているのがパワー半導体といわれるデバイスです。従来のシリコンに比べ、高温、耐圧、放熱面で優位性のある次世代半導体のSiC(シリコンカーバイト)は、特に期待値が高くなっています。 また、実用化はかなり先になりますが、電流交換のスイッチングを高速化し、電力ロスも抑えるダイヤモンド半導体の成長にも注視していきたいですね」(稲葉さん) 後編では、稲葉編集長が注目している企業3社を具体的に紹介していく。 取材・文/安藤政弘 イラスト/鈴木暢男 ※掲載している情報は4月25日時点のものです。
@DIME編集部