「考えすぎ」稲見萌寧はスロープレー猛省 “常習者”にはより厳しい罰金制度
◇米国女子◇ファーヒルズ朴セリ選手権 最終日（24日）◇パロスバーデスGC (カリフォルニア州)◇6447yd（パー71） 【画像】涙の最終日 凍える寒さに暴風、そしてスロープレーでのペナルティ…。盛りだくさんの1週間を稲見萌寧は「すごくいろいろと経験しました」と振り返った。1バーディ、2ボギーの最終ラウンド「72」で通算5オーバー。65位から52位に順位を上げてフィニッシュした。 ムービングデーの前半9番、稲見はスロープレーにより2罰打を科された。ボギーで終えたパー4がトリプルボギーに。直前のホールでの競技委員からの警告、計測されていることを把握しきれずプレーペースを改善できなかった。
本格参戦した米ツアー自身5戦目でのハプニング。受けたショックは小さくなかったが、「やっぱり、ちょっと考えすぎちゃっている部分を自分でも感じていた。本当にこれを機に…というわけではないんですけど、しっかりやりたい」と猛省した。「自分でもペースアップしているときの方が調子は良い。それ（計測される）までは結構速く、うまくできていたんですけど、ちょっと考えすぎてしまった」と難コース、難コンディションでプレーの判断が遅れたことを振り返った。 米女子ツアーでは前の組との間隔が1ホール以上あるケースや、各ホールに設定された所要時間をオーバーした場合等に競技委員が「アウトオブポジション」とみなし、計測を実施する。各ホールにかかった打数×30秒（オナーは＋10秒）を超えた場合、超過時間が10秒以内なら罰金を科し、それより長ければ一般の罰（2罰打）をスコアに付加。稲見の“2ペナ”はこの「10秒より長くかかった」ケースにあたった。
また、1ホールにかかった時間が合計打数×30秒に収まっていても、1打に60秒以上かけた場合は罰金・罰打の対象となる。救済が必要なトラブル時などは、その限りではない。なお、選手は処分が不服な場合はスコアカード提出前までに異議申し立てができる。 罰金額は通常、1回目が2000ドル（約30万円）、2回目3000ドル、3回目4000ドル。4回目以降は1回につき5000ドルを科す。罰を受けた選手に限り、翌年は額がそれぞれ倍に跳ね上がる（1シーズンのあいだ、罰金・罰打の対象にならなければ通常の額に戻る）。また、ツアーは選手・関係者がアクセスできる閲覧サイトに、大会ごとに罰金＆罰打を受けた選手の名前をリストにして“公開”。常習者に厳しく目を光らせ、全体のペースアップを目指している。（カリフォルニア州パロスバーデス・エステーツ／桂川洋一）
