【スプリンターズS】ムキムキボディーのナムラクレア、坂路で最速ラスト11秒7 長谷川師「非常にいい感触」
秋のGⅠシリーズ開幕戦・スプリンターズSの追い切りが25日、東西トレセンと中山競馬場で行われた。3年連続出走のナムラクレアは栗東坂路で単走。馬なりでこの日の最速ラスト1ハロン11秒7をマークして、調教評価は最高の『S』となった。中間は調教メニューを工夫して馬体のパンプアップに成功。3度目の正直でVを決める。 ムキムキに鍛え上げられた馬体を弾ませ、好気配を振りまいた。ナムラクレアが栗東坂路で最終リハーサル。自ら手綱を取った長谷川調教師が確かな手応えを伝える。 「先週かなりのハードワークをしてもらったので、微調整というところでリズム良く、というところを心掛けました。非常にいい感触で上がってこられました」 心地よい秋風を浴びながら、外ラチ沿いを馬なりで軽快に疾走。手綱を動かさずともグイグイ加速して、この日の最速となるラスト1ハロン11秒7(4ハロン53秒6)をマークした。 スプリント重賞4勝にスプリントGⅠでも2着2回、3着1回。国内トップクラスのスプリンターだが、ビッグタイトルには手が届いていない。連覇を狙った前走のキーンランドCは内枠で窮屈な形になり、不完全燃焼の5着だった。指揮官は「他馬との接触もありましたし、厳しいレースになりました」と振り返る。 GⅠ奪取へもうひと押しを利かせるため、調整方法を変えた。これまではCWコースと坂路を併用して仕上げてきたが、この中間は坂路のみ。集中的に心肺機能と後肢を鍛錬した。「前走がちょっと線が細いというか、全体的な筋肉の張りが足りないなというところがあったので」と意図を説明する。効果はてきめんで担当の疋田厩務員は「攻め馬によって体つきが変わってくるタイプ。短い間にグンとよくなってきた」と証言する。 スプリンターズSは3年連続の出走。一昨年5着、昨年は3着と惜しいレースが続いている。トレーナーは「過去2年はナムラクレアのレースができていないと思います。状態としてはいいところまできてくれたので、クレア自身のレースをしてもらえれば」と力を込めた。 前哨戦よりも明らかに違う体つきで気配は最高潮。悲願のGⅠ制覇へ態勢は整った。(増本隆一朗)