小学生が掘った謎の廃隧道 「これが通学路だとは信じられない」 北海道の廃隧道を大調査する旅
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、北海道にある"廃道・廃隧道"を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)※廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。 【動画】「これは廃道の極地」小学生が堀った廃隧道の先にある景色は【6分16秒~】
かつての通学路に残る廃隧道
根室市と釧路市を結ぶ道道142号の南にあるアチョロベツの集落近くには、かつて昆布森(こんぶもり)小学校への通学路として使われていた道が存在。アチョロベツから東へ向かって海沿いを行くと、「割岩(われいわ)」と呼ばれる岸壁に、人力で掘られた跡が残る廃隧道が今も残っています。 入口付近は波の侵食で削られ、隧道までの高さが3mほどになっていますが、隧道は今も貫通しており、「掘ったままの姿が風化し、自然の変化に任せている状態」と道マニア。 隧道を抜けると海や崖、砂浜が広がり、高低差のある砂浜と隧道を行き来するためのロープが設置されています。 現実離れしたような通学路の景色に、道マニアは「この砂浜が廃道の続き。独特の風化が生み出した美しさ。まさに、道の極地。日本のカッパドキアのよう」と言います。 海に沿って砂浜をしばらく行くと、昆布の産地・昆布森の漁港に到着します。
事故がきっかけ 小学生が開削した隧道の歴史
隧道は、約10年前まで昆布を運ぶために使われていたとのこと。ロープはその時のものだそうですが、地元の方によると「隧道は子どもたちが中心となって掘った」とのこと。 道マニアが国立国会図書館で発見した雑誌『中学一年コース』によると、昭和29年2月、昆布森小学校へ通う3年生の子どもが波にさらわれかける事故が発生。この事故を聞き、子どもたちはショックを受けます。そこで、「僕らの手で、安全な通学路をつくろう。みんなで力を合わせれば、道はきっとできるに違いない」と子どもたちが提案。 安全な通学路を造ることを強く決意した子どもたちは、ツルハシやハンマーを使って開削。大人たちの手を借りながら1年半工事を続け、昭和30年10月に40mの隧道が開通し、念願だった安全な通学路が完成しました。 隧道ができた直後は、子どもたちが何度も往来するほど喜び、郵便配達や買い物も便利に。 「住んでいる人たちの発展を助け、笑顔を作っていった道の記録を記してくれた」と、道マニアも満足の探索をすることができました。 10月8日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より
CBCテレビ