【ソフトバンク】斉藤大将は貴重な中継ぎ左腕 首位独走中で即戦力ではなく手術からの復活に期待
ソフトバンク野村大樹内野手(23)と西武育成の斉藤大将投手(29)の交換トレードが成立した。5日、両球団から発表された。得点力不足に苦しむ西武と、貴重な変則左腕の層を厚くしたいソフトバンクの思惑が一致したとみられる。シーズン途中に同一リーグ同士という異例のトレード成立となった。 【写真】「トミー・ジョン手術」を経て、貴重な中継ぎ左腕として期待される斉藤大将 ◇ ◇ ◇ 支配下登録の野村大を放出し、育成選手の斉藤を獲得したソフトバンク。残る支配下枠は5枠に増えた。球界唯一の4軍制を据えるソフトバンクにとっては、さらに激しい支配下昇格争いが見込める。 野村大は遊撃以外の内野や外野も守れる。しかし現状は1軍レギュラーがほぼ固定。小久保監督も「こっち(ソフトバンク)にいたらなかなか(試合に)出られる場所がなかった」と話した。昨オフは現役ドラフトで水谷が日本ハムに移籍し、交流戦MVPに輝くなど躍動している。球界の発展、さらには野村大本人の出場機会を増やす狙いがある。 斉藤は貴重な中継ぎ左腕だ。サイドスローとスリークオーターのほぼ中間で、17年ドラフト1位に指名された実力を持つ。チームにはすでに長谷川、ヘルナンデス、育成の渡辺佑ら変則フォームの中継ぎ左腕はいるが、球界でも希少な存在。「トミー・ジョン手術」を乗り越えた苦労人が、再び花開くことを期待しての獲得だろう。ホークスはリーグ首位を独走しているだけに、即戦力ではなく未来を見据えての補強となった。【ソフトバンク担当=只松憲】 ◆野村大樹(のむら・だいじゅ)2000年(平12)9月10日生まれ、兵庫県出身。京都市の同志社中から早実に進学。早実では1年からレギュラーに定着し、2年春に甲子園出場。1学年上の清宮(現日本ハム)が主に3番、野村大は4番を打った。高校通算68本塁打。18年ドラフト3位でソフトバンク入団。171センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1070万円。1軍通算成績は83試合、打率2割1分8厘、1本塁打、15打点。 ◆斉藤大将(さいとう・ひろまさ)1995年(平7)6月3日、東京都生まれ。桐蔭学園-明大を経て17年ドラフト1位で西武入団。明大では東京6大学リーグ通算11勝4敗で、4年秋にベストナイン。プロ1年目の18年7月29日ロッテ戦でプロ初勝利。21年5月にトミー・ジョン手術を受け、オフに戦力外通告を受け育成選手として再契約。22、23年オフにも戦力外通告を受け育成再契約を繰り返した。178センチ、80キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸470万円。1軍通算成績は32試合、1勝4敗、2ホールド、防御率7・71。