【核のごみ最終処分場】玄海町はなぜ「好ましくない」? 経産省「沖合も含めれば適地が見つかる可能性」文献調査の受け入れ判断は5月中に 佐賀
一方、文献調査に反対する議員は、文献調査を受け入れれば最大20億円が交付されることから、これまでの取材で「お金目当てで手を上げているのではないかと見られる」と指摘しています。
一方、経産省で“核のごみ”の最終処分について、有識者として意見を述べている高野聡さんは。 ■NPO法人 原子力資料情報室・高野聡さん 「核のごみの問題は調査の権限がある一自治体の問題だけではないと思っています。周辺の自治体の意見も聞き入れて、懸念をちゃんと考慮した上で意思決定すべきではないかと思います。」 町内だけでなく周辺の自治体と話し合いを進めた上で、判断すべきだと指摘しています。 玄海町の脇山町長は5月中に、文献調査を受け入れるかどうか判断するとしています。
これからの町長の判断が注目されますが、町長が懸念しているのが、そもそも佐賀県玄海町が最終処分場を建設する場所として適しているかどうかなんです。 ■松井アナウンサー 「適していない場所には造れないですよね。」 こちらの地図をご覧ください。これは、国が作成したそのエリアが最終処分場の建設地として適しているかどうかを示す地図です。 玄海町は全域がシルバーに塗られています。これは建設地としては「好ましくない特性があると推定される地域」ということを示しています。 ■松井アナウンサー 「いわゆる、最終処分場の建設地としては適していないと判断されている。どうしてなのでしょうか。」 その秘密は玄海町の土地にあります。そもそも、核のごみは安全のために、地下300メートル以上に埋めなければなりません。しかし、玄海町の土地には、ほぼ全域に「石炭」が埋まっている可能性があるんです。 ■松井アナウンサー 「石炭が埋まっていたら、どんな問題があるんですか。」 石炭などの地下資源が埋まっている場合は採掘する可能性があることから、最終処分場の建設地に「適している」とは言えないということなんです。
■松井アナウンサー 「建設地として適していないと分かっているにもかかわらず、なぜ国は町に対して、文献調査を受け入れるよう申し入れたのでしょうか。」 先ほどの地図に戻るのですが、町の「沖合」はシルバーに塗られていません。経済産業省は「沖合も含めれば適地が見つかる可能性がある」と話しています。