知らなかったMAC全滅 予算削減で大幅路線変更…ウルトラマンレオ50周年 真夏竜インタビュー〈4〉
1974年4月から翌75年3月まで放送された人気特撮ドラマ「ウルトラマンレオ」が今年、50周年の節目を迎えました。それまでの「ウルトラマンシリーズ」とは一線を画し、獅子座L77星の出身で、人間ドラマに比重を置いた作風となっています。「―レオ」をもって、71年の「帰ってきたウルトラマン」から始まった「第2期ウルトラマンシリーズ」は終焉を迎えましたが、今回、スポーツ報知では主人公のおゝとりゲンを演じた真夏竜(74)を取材、半世紀を経ての思いなどを聞きました。このインタビューを全6回の連載としてWEBのみ掲載します。(文中敬称略) 特訓などハードな作風に低年齢化していた視聴者層がついていけず、視聴率が低迷。予算もいっそう厳しくなり、「―レオ」は大幅な路線変更を強いられた。第40話「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった」(脚本・田口成光、監督・深沢清澄)で、防衛チームMACが壊滅。隊長のモロボシ・ダン(森次晃嗣)は行方不明となり、チームの仲間も命を落とした。ゲンの恋人・山口百子(丘野かおり)、野村猛(伊藤幸雄)、梅田カオル(富永美子)も円盤生物シルバーブルーメの犠牲になって、物語から姿を消した。 「『何で? 何これ?』っていう感じでしたね。事前にプロデューサーや監督から説明はなかったかな。出来上がってきた本(台本)を読んで、初めてこういう展開になると知ったんです」 こうして「―レオ」は75年3月28日の第51話「恐怖の円盤生物シリーズ! さようならレオ!太陽への出発」(脚本・田口成光、監督・山際永三)で最終回を迎える。 自身を慕う梅田トオル(新井つねひろ)に、自らがレオであることを告げたゲン。円盤生物ブラックエンド、円盤生物を操るブラック指令(大林丈史)をレオとトオル、美山あゆみ(杉田かおる)ら子供たちが力を合わせて倒したことで、ゲンは地球を守る任務から離れることを決めた。 「この地球がボクの古里になったんです。だから、青い空と青い海のある古里をこの目で見て、この手で確かめてみたいんです」 ゲンはこう言い残し、大海原に1人旅立つ―。 そこから、ゲンが「ウルトラマンシリーズ」に再登場するまで、30有余年もの年月を待つことになる。2006年11月25日。「ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品」と銘打たれた「ウルトラマンメビウス」の第34話「故郷のない男」(脚本・赤星政尚、監督・小原直樹)で、おゝとりゲン=レオは、その姿をファンの前に現したのだった。 (協力・円谷プロダクション)=21日に続く= ◆モロボシ・ダンの再登場 企画ではMAC隊長は川上鉄太郎で、ゲンの正体を知りつつ、協力していく―とされていた。川上役を「ウルトラセブン」(67年放送)でモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣にオファーしたが「ウルトラマンシリーズでダン以外の役をやるのは違うのでは」と森次は言い、ダンが隊長として再登場することになった。
報知新聞社