広がれ〝有機農産物〟PR多彩 店舗マップ、農家インタビュー動画も
群馬県は、有機農産物の消費拡大に力を入れ、取扱店舗のマップ公開や農家の販路開拓支援など、さまざまな取り組みを展開している。農家と飲食店をつなぐ機会を設ける他、2月から県内スーパーに有機コーナーを新設し、消費者が有機農産物に触れる機会を増やす。県内外に販路を広げる態勢を整え、有機栽培を実践する農家の所得向上を目指す。 「有機農業推進元年」に位置付け、有機JAS認証の取得者・面積を21年度の84人・259ヘクタールから、27年度に120人・370ヘクタールにする目標を掲げる。23年4月に技術支援課に「グリーン農業推進係」を発足させた。 マップは、昨年12月に県のホームページで公開。有機農産物を取り扱う販売店46店舗と飲食店14店舗の住所や営業時間、販売品目などの情報を地図上に示した。県農政課は「消費者が気軽に有機農産物を買えるよう、マップを充実させたい」と随時更新する。 販路開拓を後押しするため、有機農産物に興味がある飲食店と有機農家をマッチングする機会を設ける。県内スーパーでの県産有機農産物コーナーの新設では、のぼり旗や店内広告(POP)を用意。まずは5カ所程度で特設コーナーとして始め、将来的には常設化を目指す。 動画やマルシェによるPRにも意欲的だ。県内の有機生産者3戸にインタビューした動画を県公式ユーチューブで公開している。昨年10月に東京都世田谷区で2度の有機農産物フェアを開いた他、2月にも高崎市で開催を予定する。 県技術支援課は「有機農業を普及させるには、生産安定と販売促進、消費拡大の底上げが不可欠だ」と話す。
日本農業新聞