人類滅亡の日が迫る? 世界を揺るがす“核の危機” タリバンも核兵器入手を検討か【NEWSアングル】
WBSの豊島晋作キャスターが独自の視点で日本や世界のニュースを解説するコーナー「NEWSアングル」。中東やウクライナなど、世界各地で戦争が続く中、人類を滅亡させる恐れのある核兵器への関心が高まっています。核兵器をめぐる世界の現状や、リスクが高まっている地域について解説します。 27日からニューヨークで開催されていた核兵器禁止条約の締約国会議。核兵器禁止条約は、核兵器の開発、製造、保有、使用を全て禁止する国際条約で核兵器を持たない93の国と地域が署名しています。 ニューヨークの国連本部にはこうした国々が一堂に会しています。一方で今の世界を見渡すと、ロシアはもちろん中東のガザで戦うイスラエルも核保有国とみられていますが、これら「核を持つ国々」があからさまに軍事力を行使する状況に会場の「核を持たない国々」はいら立っているのです。 この会議にはロシアやアメリカ、中国など核保有国は参加していません。唯一の被爆国である日本からは広島市の松井一實市長らの姿はありましたが、実は日本政府も参加を見送っています。 日本はアメリカの核の傘に守られているので、声を大にしては言えませんが、現状では基本的に核兵器は必要だという立場なのです。同じくアメリカの核の傘に依存するNATO諸国も今すぐ核をなくすことは、かえって世界を不安定化させるとして、条約には参加していません。 もちろん核兵器があっても世界が安定しているとは言えません。今の世界の核兵器の状況を確認してみます。 ストックホルム国際平和研究所によると現在、核兵器を保有している国は世界で9カ国あります。核弾頭の保有数はアメリカとロシアが共に5000発を超えており、突出して多くなっています。ただ中国が急ピッチで核兵器の製造に乗り出していて、2030年には保有数が1000発を超えると言われています。合計すると世界では今、およそ1万2500発の核弾頭があるとされています。 ただ米ソ冷戦時代には世界の核弾頭は、およそ7万発あったと言われますので、その頃に比べれば減っています。また核兵器は広島、長崎以降では一度も実戦では使用されていません。「今後も使われることはないだろう」と考える人は多いと思います。 しかし。今の世界は決して安心できる状況ではなくなっています。