10か月と10歳2人の子どもを1人で育てる“納棺師ママ” 祖父母の葬儀が転機に…わが子に寄り添うのと同じやさしい気持ちで遺族に向き合う“おくりびと”
遺体は刻一刻と変化をし続けます。その変化をお別れの最後の瞬間まで、できる限り食い止めるのがめぐみさんの仕事です。 最初にしっかり処置を行うことで生前と変わらない姿で最後までお見送りすることができるといいます。
元々は料理人を目指して、飲食店で働いていためぐみさん。 20代前半で経験した祖父母の葬儀で納棺師の仕事の大切さに気づき、志すことを決めました。 祖父母の葬儀は正反対。最初の祖父の葬儀は、葬儀会社に言われるがままの内容、祭壇も立派でいろいろなものがついていたのだそう。
何年か後の祖母の葬儀は何もつけなかったところ、とても寂しい葬儀になってしまったのだとか。 マニュアル通りの形式ばった葬儀を目の当たりにしためぐみさんは、残されたご家族に悔いのないあたたかい葬儀ができるようお手伝いをしたいと考えています。 「『あれぐらいしてあげればよかった』はある。でも後からしてあげることはできない。送る側が後悔がないように、どういうふうに送ってさし上げるかが大事」と話します。
仕事を終え、午後6時30分には保育園へお迎えに。かわいいわが子の姿を見て、ようやく表情に笑顔が戻るめぐみママです。 ここから超特急で家事をこなします。
「これ作ろうと思っても作る気力がなかったりする」というめぐみさん。この日はスーパーで買った味付き肉で時短することに。焼くだけで簡単に1品完成です。 包丁やまな板を使わずフライパンの上でカットします。あっという間に長女ゆうなさんのご飯が出来上がりました。
一方、長男まさきくんの離乳食は、お助けアイテムで時短。 味のない野菜スープに入れたのは、ベビー用品ブランド和光堂の離乳食お助けアイテム。簡単にとろみのついたクリームスープが出来上がるんです。
離乳食を作っても食べてもらえないこともしばしば。 食べたいときも、食べたくないときもある。子どもの気持ちに寄り添おうとするめぐみさんの心地よいやさしさが仕事にも生かされているのかもしれません。
遺族との打ち合わせで、めぐみさんが大切にしていることがあります。故人が好きだったもの」を聞くこと。 「『好きだったよね』とか『看護師の仕事頑張ってたよね』と、そこで思い出話ができたり。残されたご家族様はその後、生きていかなきゃいけないので、いいお別れができればいい生活、いい未来が送れる」と話すめぐみさん。 わが子に寄り添うのと同じように、やさしくあたたかい気持ちで遺族に寄り添っていました。
UHB 北海道文化放送