40歳~50歳代のおひとりさまは「貯蓄100万円未満」が約半数。今から知っておきたい《老後の年金》
老後の年金収入「国民年金・厚生年金」の平均受給額はいくら?
ここからは、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、2022年度末現在の国民年金と厚生年金の受給額事情を整理します。 まずは国民年金(老齢基礎年金)から。 ●国民年金(老齢基礎年金) 〈男女全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●厚生年金 〈男女全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※ここで紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には、国民年金の月額も含まれています。 厚生年金を受けれる場合、平均年金月額は男女全体で14万円台。ただし男女差、個人差が大きいです。また、国民年金だけを受け取る場合は、貯蓄、私的年金、不労所得といった年金以外の資金源を手厚く準備しておく必要がありそうです。 厚生年金を受給できる場合であっても、実際の受給額は人それぞれ。現役時代の年金加入期間と収入により老後に受け取る年金額が決まります。 「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で将来の年金見込み額を把握しておきましょう。平均額だけを鵜呑みにするのは避けた方がよさそうです。
40歳代・50歳代「いまからスタートしたい、老後に向けた資産形成」
今回は、40歳代・50歳代の収入や、単身世帯の貯蓄事情のデータをながめたあと、今のシニア世代の年金事情についても触れました。 少子高齢化が進み、年金制度の支え手は着実に減っていきます。今の年金水準がこの先ずっと維持されるとは限りません。止まらぬ物価上昇、そしてなかなか上がらぬ賃金。現役世代に限らず「今が正念場」と感じている人もいるでしょう。 年を重ねると、若いころには想像しなかったような「出費」が発生することも。病気や要介護は突然やってくることも多いですね。シニアが長く働き続ける環境の整備は進んでいますが、健康面でリタイヤが前倒しとなる可能性も高まります。 そこで大切になってくるのが「資産形成を早めにスタートさせる」こと。 超低金利のいま、預貯金だけでは資産を大きく増やすことは難しいのが現状。平行して資産運用で「お金を育てていく」視点が求められているとも言えそうです。 資産運用ビギナーの方であれば、NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などの非課税口座活用の検討から始めてみるのもよいでしょう。投資はちょっとハードルが高いと感じる方は、民間の個人年金保険などで備えていくのも一案です。 最適な資産運用のスタイルは、一人ひとり違います。まずは情報収集からスタートしてみましょう。 さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。
参考資料
・国税庁 長官官房 企画課「令和4年分 民間給与実態統計調査」 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
杉田 有毅