新時代のWEC開幕!そして、シュミットさんお大事に
先週末の土曜日に世界耐久選手権(WEC)の開幕戦がカタールのルサイル・サーキットで開催された。私は決勝の解説をさせていただきました。
でも、石を投げたら届きそうな程の隣国、バーレンではF1の開幕戦が行われていた。両方のレースを各々のサーキットで観戦したいと思っていたファンはどうしたのでしょうね。
番組をご覧になった方は、結果とフィニッシュに至るレースの内容をお分かりでしょう。開幕戦からいきなりの1812Km、または10時間レースでしたから、長い時間お付き合いいただいてありがとうございます。初開催となるルサイルサーキットは、指の本数が足りない野球のグローブを潰したような形状で、ボク自身映像をパッと見ただけではマシンがどこを走っているか分からず、視聴していた皆さんに的確なコメントできなくて申し訳なかったです。
今シーズンから、WECはハイパーカークラスとGT3カテゴリーのLMGT3の2クラスとなっています。一気に台数が増えたハイパーカークラスは、9メーカー、19台が揃い、今後2メーカーが増えるとのことです。グループCカー時代を彷彿とさせるスポーツカーの新時代の幕開けとなった。
古い話ですみません。80年代からのグループCカーで大活躍したのがポルシェ。今シーズンの開幕戦でもポルシェが両クラスで大活躍。昨シーズンまで絶対王者のポジションにあったトヨタは、開幕戦ではとても苦戦していた。しかし、ルサイルサーキットの特殊性が原因のひとつだったようなので、第2戦からの状況を見なくては、今後の勢力争いは、まだ分からないでしょう。
日本のレースシーンでポルシェといえば、この人ありという人物がいます。
元ポルシェのマーケット部門担当のガート・シュミット氏。御年79歳。すでに定年退職してらっしゃる。現役時代はSUPER GTやポルシェカップの開催時には殆どサーキットに姿を現し、ドイツ語訛りの英語で快活にカスタマーやジャーナリストと会話していた。現在足の治療のためにシュツットガルトのクリニックに入院中というSNSが飛び込んできた。1970年代には、カスタマーレーシング部門で活躍。世界各国のスポーツカーレースに飛び回っていた。俳優スティーブ・マックイーン主演、日本でもお馴染みの映画【栄光のル・マン】の制作の裏側をメインにまとめた463ページの豪華本『A FRENCH KISS WITH DEATH』にもマックイーンと肩を組む若きシュミット氏の写真(サングラスの若きシュミット氏)がある。