ブラジルで活躍する日系企業の今(27)海外最多のラインナップ誇る ブラジルヤクルト商工株式会社
「ブラジルで活躍する日系企業の今」を紹介する本連載の第27回目は、ブラジルヤクルト商工株式会社(以下BY社)の根本篤社長(53)に話を聞いた。サンパウロ市内を歩いていると町中で見かけることのあるヤクルトレディ。「健腸長寿」を合言葉に、Yakultのロゴマークがプリントされた手押し車(保冷機付き)でヤクルトを配達しながら、近所の人と立ち話をする風景はサンパウロでも住宅街の一風物詩になっている。
海外進出2番目の国だったブラジル
1966年に設立されたBY社は現在、「人も地球も健康に」をコーポレート・スローガンに、世界の一人でも多くの人々に健康を届けるべく、日本を含めた世界40の国と地域で事業展開している。オフィスの受付カウンターの背後には、世界各地で生産・販売されているヤクルト社の製品パッケージがアーティスティックなデザインで飾られているのがユニークだ。 ヤクルト社が最初に果たした海外進出は1964年の台湾で、二番目がブラジルだった。1968年にサンベルナルド・ド・カンポ市に工場を開設し、主力商品の乳酸菌製品ヤクルトの製造・販売を開始。1979年には、日本人移民がリンゴ生産をするようになったサンタカタリーナ州サンジョアキンから約100km離れたラージェスに工場を設置。「ふじ」をベースとした砂糖不使用の濃縮リンゴジュースを生産し、1984年に発売を開始した。 以後、ヤクルト40(日本では400)、ヤクルト40ライト、ヨーグルトのソフール、タフマンEX、ハイラインF、果汁入り大豆飲料TONYU、果汁入り乳性飲料ヨーデルなど、BY社はヤクルト社の海外事業の中で最も多種類の製品ラインナップのある会社となっている。 ヤクルトは2001年、ANVISA(国家衛生監督庁)によってブラジルの発酵乳では初めて保健機能食品として承認された。同年に、ハイラインもビタミン、ミネラル、高繊維、鉄分など必須栄養素を含むブラジルで唯一の女性向け栄養補給飲料として賞を受賞した。