思春期襲来!? 小6の夏、偶然友人のわき毛を見てしまった話。 強烈なインパクトで爆笑の渦に突き落とす『カッラフルなエッッブリデイ』がクセになる!【書評】
いまからご紹介するマンガはめっちゃおもしろくて、すっごくオススメなんです! と鼻息荒く語りたい作品です。文章を書く仕事をしている人間がそんな語彙力でどうするんだ! と言われそうですが、語彙力がどこかに飛んで行ってしまいそうなほど強烈なインパクトを残す作品が『へたくそなのに泣くほど笑える! カッラフルなエッッブリデイ』(むめい/KADOKAWA)です。 【漫画】本編を読む
2021年からTwitter(現:X)に投稿を始めたエッセイマンガをまとめた単行本は、2023年6月に第2巻が発売されています。さらに2023年12月にはアニメ化もされました! 本作は著者である、むめい先生の小学生時代を中心にしたエッセイ。台詞から背景まで作品の全てが手描きかつオールカラーなのですが、その全てが一見すると「へたくそ」なのが特徴的です。また、どのエピソードもおもわず吹き出してしまう爆笑必至のエッセイなので電車で読むことはオススメしません!
初めてのワキ毛を見つけた話から始まり、学校の先生をママと呼んでしまった話、近所の犬が恐い話、ハムスターが飼いたい話など日々の何気ないできごとを、むめい先生目線で絶妙なオチを付けてハイテンションに語られています。
どのエピソードも強烈でありながらも、共感したくなるような懐かしさも持ち合わせているテーマに感じるのは私がおそらくむめい先生と同年代だからでしょう。90年代に小学生時代を過ごした方はむめいワールドにハマりやすいと思います! 上述もしていますが、本作を紹介する上で必ず使われるのがタイトルにも入っている「へたくそ」という言葉。決して綺麗とは言えない字、奇抜な配色、まるで小学生がノートに描いた自作マンガのような絵はたしかに「へたくそ」に思えます。ですが、コマの構図、絵の強弱、人物の躍動感が実はしっかりと描かれており、そこに子ども心を忘れていないような配色の奇抜さが組み合わさり、唯一無二の作風となっています。これを「へたくそ」と言う言葉で片付けるには、あまりに安直でもったいないと思いませんか。かと言って「上手い」もやはり違う気がしています(笑) むめい先生ご自身の失敗談を大爆笑へ誘うエピソードに昇華させた本作。奇行が目立つ"むめいちゃん"ですが、読めば読むほど愛らしさが募ります。例えば、高校生時代に親戚の子どもと全力で遊ぶ姿。お人形のために躊躇なく自分のエクステを取り、付けてあげる行動も優しいですよね。(もちろんオチはあるのですが!)