櫻坂46、4年間で積み上げてきた『アニラ』の歴史 今年は未来へとつなぐ集大成のステージに
屋外ライブだからこそのライブ演出にも期待
改名からの2年間は「櫻坂46とは何なのか?」というアイデンティティを模索している段階にあったが、ようやくグループのあり方を見出し始めたのが2022年から2023年。1stアルバム『As you know?』を発売し、グループとしての音楽性を確立し、櫻坂46としては初となった東京ドーム公演で菅井友香の卒業セレモニーが行われた『2nd TOUR 2022 “As you know?”』を通して、新たなグループカラーを明確に提示してみせた。そして年明けに三期生の加入、初の選抜制を導入した7thシングル『承認欲求』を経て挑んだ『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』は、これまでの日本武道館ではなく、グループにとって初の単独野外スタジアムライブとしてZOZOマリンスタジアムで行われた。会場史上最大動員数という快挙を成し遂げた同ライブでは、映像、照明演出も含めたパフォーマンス総体としての完成度も見事だったが、ライブ終盤に披露された山下瞳月センターの三期生楽曲「静寂の暴力」は、会場からペンライトの明かりが消え、しんと静まり返る中、鬼気迫るパフォーマンスで、新しい櫻坂46の未来を示した。 昨年末の『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で2年ぶりに返り咲いたことは、現在の櫻坂46のグループとしての勢いを表している出来事だろう。今年は長らくグループをパフォーマンスで牽引してきた小林由依の卒業コンサートという大きな節目もあったが、その一方で、山下が9thシングル『自業自得』、10thシングル『I want tomorrow to come』と2作連続で表題曲センターを務めるなど、世代交代が一気に加速。「愛し合いなさい」(9thシングル『自業自得』収録曲)でセンターを務めた石森璃花や「僕は僕を好きになれない」(10thシングル『I want tomorrow to come』収録曲)でセンターを務めた村井優、『ラヴィット!』(TBS系)で2シーズンにわたってシーズンレギュラーを務めた中嶋優月など、櫻坂46イズムを引き継いだ三期生が現在の主力として活躍している。 昨年は『Japan Expo Paris 2023』『Japan Expo Malaysia 2023』『2023 Asia Artist Awards IN THE PHILIPPINES』と海外進出も顕著となっていたが、今年も11月には韓国にて開催された『WONDERLIVET 2024』に出演。韓国の空港でメンバーを迎えてたファンの反響が話題となっており、改めて櫻坂46の海外での影響力の大きさを思い知った日本のBuddiesも多かったのではないだろうか。 今年の『アニラ』は昨年と同じ、ZOZOマリンスタジアムでの開催となる。今年は「自業自得」「I want tomorrow to come」といったパフォーマンスで“魅せる”楽曲も増え、表現にも幅が生まれた。昨年の「静寂の暴力」で見せたパフォーマンスのように、屋外ライブだからこその工夫の凝らされた照明やライブ演出が組まれる可能性も大いにある。櫻坂46の最大の特徴でもあるパフォーマンス性の高さが随所で発揮されるはずだ。今後は四期生の加入も控え、ひとまずはこの『アニラ』が区切りとなる。今年の『アニラ』はその意味で櫻坂46の現在地を提示する重要なライブになるだろう。
川崎龍也