ヒョウ柄は「ダサくて安っぽい」?それとも「富裕層のシンボル」?新トレンドに浮上中の"レオパード"に密着
「クワイエット・ラグジュアリー」に次いで、古くからロイヤルやロックスターに愛され続けているレオパード柄がいま、じわじわとトレンドに復活中。リアーナやケンダル・ジェンナーらおしゃれセレブが大胆かつクールに着こなしているほか、多くのブランドがランウェイに登場させている。その魅力を、歴史とともに振り返ってみよう。 【写真】BLACKPINKも「ヒョウ柄」に夢中!リサに学ぶ、春のおしゃれトレンドコーデ15選
レオパードプリントの復活を、もうひとつの最近のビッグトレンド「モブワイフ(=マフィアの妻)」(ドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』のカーメラ・ソプラノを思い出してほしい)とひとまとめにして考える人もいるかもしれないが、ファッションにおけるレオパードの歴史は、それよりもずっと複雑だ。 このプリントは富裕層のステータスシンボルでありながら、同時に「ダサくて安っぽい」とみなされてきたため、いろいろな意味でこれほど矛盾した側面を持つ柄はないだろう。 レオパードプリントを最初に生み出し流行させたのは、裕福な貴族やロイヤルで、彼らは本物のファーをコートやラグなどに仕立てていた。20世紀初頭になると、ファーのコートは中流階級の手にも届くようになり、1920年代のフラッパーガールたちは、最も高価なものとしてレオパードのコートを切望した。
レオパード柄がイブニングドレスや小物にも使用されるようになったのはこの頃だが、本格的にハイファッションに進出したのは、クリスチャン・ディオールが初めてキャットウォークでこのプリントを発表した1947年のことだった。 60年代には、まだ富との結びつきが強く、ジャクリーン・ケネディ元大統領夫人がレオパードのファーコートを着用したことで、ヒョウの個体数が減少につながったという逸話もある(ヒョウ狩りはその後、1973年に禁止された)。 また60年代には、王室のプリンセスとロックスターが一緒に出かけるようになり、社会の階級区分が徐々に薄まってゆく。 ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズと、貴族出身の恋人アニタ・パレンバーグがリードした、カウンターカルチャーのムーブメントとレオパードプリントが結び付き始めたのはこの頃で、彼らはよくお互いの服を貸し借りしていた。 さらに70年代には、デビッド・ボウイやロッド・スチュワート、フレディ・マーキュリーといった男性スターたちもレオパードプリントを着用しだし、ロックンロール界での地位が確立されてゆく。