石川との災害支援、海路活用協議へ 富山県議会で新田知事、広域観光へ航路も研究
富山県議会は17日、本会議を再開し、八嶋浩久、嶋川武秀、瘧師富士夫(自民)、尾山謙二郎(新令和)、岡崎信也(立民)の5氏が一般質問した。新田八朗知事は石川県との将来的な災害時の支援体制について、空路に加え、海路の活用を協議していく考えを示した。広域観光を促進して復興を後押しする観点から、富山湾の観光航路の可能性についても研究していくとした。八嶋氏の質問に答えた。 能登半島地震発生直後は、道路や港湾が大きな被害を受けたことから、能登地域に陸路や海路でアクセスすることが一時困難になった。八嶋氏は「富山湾の地形や能登との歴史的なつながりを盛り込み、被災地支援や観光連携についての検討が必要」とただした。 県防災・危機管理課によると、能登半島地震を巡り、県消防防災ヘリが20回出動し、44人を救助。県のドクターヘリは18人を県内の病院に搬送するなど、災害時の空路の重要性が改めて浮き彫りになった。
知事は地震の対応を検証する中で、孤立集落対策として、道路が寸断した場合の支援人員や物資の輸送方法などを検討していくと強調。「海路の活用についても、国や石川県と話し合っていきたい」と述べた。 さらに「復興支援という意味では、広域観光も一つのテーマ」と強調した。1982年には珠洲市の飯田港と富山市の岩瀬漁港を結ぶ航路があった他、2009年には富山湾横断観光船の実験運航が行われたことを紹介。いずれも比較的短期間で休止・終了しており、理由を調べるとした。 富山湾での観光航路の運航は、県内の複数自治体から要望が寄せられているとし「受け止めて勉強していきたい」と述べた。一方、22年に北海道・知床半島沖で遊覧船事故が起き、国の許可のハードルが上がっているとの課題もあるとした。