◇第91回選抜高校野球　○山梨学院24－5札幌第一●（25日・甲子園） 　山梨学院が持ち味の強打を思う存分に見せつけた。チームを勢いづけたのは、2番・菅野だ。 　一回1死走者なしで打席に入った。1ボールからの内角直球を捉えると、打球は右翼スタンドへ吸い込まれた。菅野の「公式戦では初めて」という本塁打が先制ソロ。結局、この回、打者13人の猛攻で一挙10得点を奪い、試合の流れを決めた。 　相手先発は昨秋3分の2回しか投げていない右腕・山田。だが、予感はあった。右打者が多い山梨学院打線に対して、右投手をぶつけてくると読み、山田の映像を繰り返し見て研究していた。「相手は同じ球種を続けて投げる傾向があったので、狙い球を絞れた」と菅野。実際、本塁打にしたのは初球と同じ直球だった。 　昨夏の甲子園1回戦は高知商と対戦し、12―14で逆転負け。菅野は「12点取っても負ける試合があるんだと思った。何点でも取れるだけ取らないとダメだと思った」と振り返る。この日は、先発全員安打と大会タイ記録となる24安打をマークし、先発全員が打点を挙げた。 　甲子園では夏を含めても1大会1勝止まり。目標の8強入りに向けて吉田監督は「出来すぎ。反省するところはたくさんある」と気を緩めることなく、一戦必勝で臨む覚悟だ。【長田舞子】