デンソー、ルネサス株一部売却へ-約1755億円の売却益見込む
(ブルームバーグ): 自動車部品メーカーのデンソーは20日、保有する半導体メーカーのルネサスエレクトロニクス株の一部を売却すると発表した。約1755億円の売却益を見込んでおり、成長投資に充てていく考えだ。
発表によると、デンソーはルネサスの発行済み株式(自己株式を除く)の4.4%に当たる7812万7800株を売却する。ルネサスのウェブサイトによると、デンソーは3月末時点で同社の8.6%の株式を保有していた。残りの保有株については今後のルネサスとの協業関係の進展や自動車業界における車載半導体の位置付け、自社の半導体戦略や資本効率などを総合的に勘案し、保有の合理性を検討していく。
売却は23日に完了することを予定。デンソーは売却益を今期(2025年3月期)個別決算で特別利益として計上する見込みで、金額が確定次第、公表するとしている。
東京証券取引所による資本効率改善の要請を受け、上場企業各社は持ち合い株の見直しや株主還元などの取り組みを加速している。デンソーも同じトヨタ自動車グループに属する豊田自動織機やジェイテクトを含めた保有株式の売却を進めており、今後も保有意義のない株式は売却して成長投資などに充てていく方針だ。
13年にルネサスに出資していたデンソーは18年に持ち分を引き上げ、半導体の安定調達や車載システム技術や製品の共同開発などにつなげてきた。デンソーは今回の発表で、出資当初の目的は一定程度果たされたとした上で、持ち分の一部売却後もルネサスとの協業関係を維持・強化していくとしている。
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Tsuyoshi Inajima