京成電鉄と北総鉄道によるテロを想定した合同訓練で負傷者を運ぶ印西地区消防組合の隊員＝印西市の北総鉄道印旛車両基地

　京成電鉄（市川市）とグループ会社の北総鉄道（鎌ケ谷市）は、テロに備えた合同訓練を北総鉄道印旛車両基地（印西市みどり台）で行った。走行中の車内にある不審なかばんから異臭のする液体が漏れたことで負傷者が複数発生したとの想定で、地元警察や消防関係者を含む約150人が参加し2時間以上かけて危機対応の練度を高めた。 　訓練は都心と成田空港を結ぶ京成「成田スカイアクセス」が開業した2010年から毎年実施。今年の使用車両は有料特急「スカイライナー」で、乗り入れる北総線の乗客から通報を受けてスタートし、最寄り駅に臨時停車してから運転を再開するまでの避難誘導・救護活動などの一連の動きを一つ一つ確かめた。

京成電鉄と北総鉄道によるテロを想定した合同訓練で負傷者を運ぶ印西地区消防組合の隊員＝印西市の北総鉄道印旛車両基地

　負傷者の搬送訓練を重視し、警戒中の警備員が不審者を確保した後、防護服を着た隊員が車内に入り、自力での歩行が困難な乗客を2人がかりで運んだ。連絡体制の構築では、北総、京成各本社が対策本部を設置し、現場とのリモートでの情報共有の流れを丁寧に確認。多くの利用が見込まれる外国人客への翻訳機での対応も試行した。 　北総鉄道運輸部長の伊藤晴通さんは「今後も訓練を通じて両社の意思疎通を高めていく」と総括した。