鹿児島県与論町に11月初の大雨特別警報…床上浸水20棟、32か所の道路が冠水
暖かく湿った空気の影響で、鹿児島県奄美地方と沖縄本島地方は9日、猛烈な雨となった。気象庁は同日、11月としては初めてとなる大雨特別警報を一時、鹿児島県与論町に出した。10日にかけて両地方で非常に激しい雨が降るところがあるとして、土砂災害などへの警戒を呼びかけている。 【写真】浸水被害を受けて商品が散乱したスーパー(鹿児島県与論町で)
大雨特別警報は重大な災害が起きる恐れが著しく高いと判断された場合に出される。奄美地方と沖縄本島北部では9日未明から朝までに、災害級の大雨をもたらす線状降水帯が発生していた。9日の24時間降水量の最大値(午後6時時点)は、与論町で594ミリ、沖縄県東村で486・5ミリに達し、いずれも観測史上最大となった。
与論町によると、午後4時現在、床上浸水20棟、床下浸水9棟の被害を確認。町内の32か所の道路が冠水した。土砂崩れが3か所で発生し、一部区間で通行止めとなっている。
同町のスーパー「ショッピングプラザトップ本店」は店内が浸水し、経営する志摩晴文さん(69)らが午前中から後片付けに追われた。冷蔵機器も浸水して壊れたため、通常営業に戻るには1週間程度かかる可能性もあるという。志摩さんは「地域の人たちのためにも早く営業を再開したい。これ以上雨が降らないことを願うばかりだ」と話した。
沖縄県などによると、午後5時現在、本島北部の名護市と国頭村で16棟の床上・床下浸水の被害が確認された。大宜味村では浄水場が浸水して一部地域で断水し、道の駅に給水車を手配した。東村では河川沿いにある民宿の建物の一部が崩落。複数の道路が土砂崩れなどで通行止めとなった。
10日午後6時までの24時間降水量は両地方で150ミリと予想されている。