【ラグビー・池田韻レフリー フィジー留学リポート/vol.1】郷に入れば郷に従えの精神で、楽しみ、学び始めました。
タフな24歳は、南の島の生活を楽しんでいる。 水道水を飲む。現地伝統の飲み物、カヴァの儀式にも付き合う。 だから愛される。 みんな、名前をうまく発音できないけれど。 レフリーの池田韻(ひびき)さんは、いまフィジーにいる。 1月9日に日本を発ち、4月2日まで。人生で、こんなに長く海外で暮らすのは初めてだ。 はびき。ひびか。ひびこ。 発音が難しいようで、なかなか正確にはいかない。しかし、「それぞれ好きなように呼んでもらっています」と大らかに構える。 日本ラグビー協会のアカデミー事業、海外研修の制度によるレフリー留学だ。 インド系フィジアンのホストファミリーのもとで、ラウトカの街に暮らす。 午前中は語学学校に学んでいる。午後は社業(株式会社 識学)に取り組み、トレーニングも。 1月18日からの3日間は、U18男子セブンズ・デベロップメント・スコッドも参加したコーラルコーストセブンズで笛を吹いた。 同大会では5試合でレフリーを務め、女子のセミファイナル、ユースのクォーターファイナルなどで笛を吹いた。 滞在中に、あと4大会には参加できる予定だ。 セブンズ王国だ。スピードやテクニックのレベルは高い。 その体感は、レフリングスキルと現象の見極めの向上に直結するだろう。 それに加え今回のフィジー滞在における最大の目的は、英語によるコミュニケーション能力の上達だ。 世界を舞台に生きていきたい。 これまでも海外での国際試合を担当してきた。その準備、経験もあるから、特にセブンズの試合中のプレーヤーとのコミュニケーションには、あまり困らない。 ただ、もう一歩先に行くには、自ら発信していけないとダメだ。 自分に対して話してくれるケースはいいが、現地の誰かが、全体に向けて話すと理解が難しい。 そんなとき黙っていれば、言われた内容が分かっていなくても同意したのと同じとされる。 だから、いつだって意思を示すことができるようになりたい。自分の言葉で考えを伝えなければ。 ラウトカラグビー協会のレフリーたちが毎週、月火水におこなっているトレーニングにも参加させてもらうつもりだ。 そんな機会の積み重ねが、望む未来を呼ぶだろう。