特産「竜峡小梅」の出荷始まる 着果量減も仕上がり良好 JAみなみ信州【長野県飯田市】
長野県飯田下伊那地域の特産ウメ「竜峡小梅」の出荷が13日に始まり、JAみなみ信州は今シーズンの果実出荷のスタートを切った。3月の天候不順の影響で着果量が少ないものの、大玉傾向で生育は順調。JAは前年比2割減、135トンの出荷を見込み、県内の加工業者向けを中心に月末まで出荷する。 飯伊で生産する「竜峡小梅」と「飯田小梅」の県内シェアはおよそ4割。384人の生産者が短期集中で丁寧な作業を進めている。18~25日にピークを迎える。 JAいいだ梅部会の部会長を務める原田健夫さん(64)=飯田市=は、14日に竜峡小梅の収穫を始めた。この日は「100キロは収穫したい」とし、妻と2人で汗を流した。本年度は500キロの出荷を見込んでおり、「果樹出荷の良いスタートとなるよう張り切って作業したい」と話していた。 飯伊はかつて国内有数の小梅の産地として知られたが、海外産の増加や生産者の高齢化、担い手不足などにより、2000年ごろに約2000トンあった出荷量が大きく減っている。一方で市場や加工業者の需要は大きく、梅部会は苗木購入の助成や定植講習会開催などを通じて生産振興に努めている。 JAは直営直売所に小梅コーナーを特設して消費拡大に取り組む。同市鼎のおよりてふぁーむでは26日に梅漬け講習会を予定している。営農部果実柿課梅チーフの丸山大樹技術員は「生産者が一粒ずつ手間をかけて丁寧に作業を進めている。家庭でもカリカリ漬けにして楽しんでもらえたら」と話していた。