北海道駒ヶ岳で火山性地震が増加 膨張示す地殻変動も観測「規模の小さな水蒸気噴火の可能性も」火山噴火予知連
火山の専門家で構成される「火山噴火予知連絡会」は20日、定例の会合を開き、全国の火山活動について評価・検討を行いました。 【映像】アイスランドでは「1000年ぶり噴火の活動期か」カメラが捉えた壮大な自然の光景 北海道の道南地域にある「北海道駒ヶ岳」では、去年12月から、山頂の火口原付近の浅い場所を震源とする振幅の小さな火山性地震が1日あたり1回程度の頻度で継続的に発生しています。 さらに、衛星を使った観測では、2022年ごろから山頂の火口原の浅い部分で膨張を示すわずかな地殻変動が観測されていて、地下の圧力がごくわずかに高まっている可能性があるということです。 これらのことから予知連は、北海道駒ヶ岳では火山活動がやや活発化する傾向が認められるとして、噴火警戒レベル1を維持した上で、今後の活動の推移に注意が必要だと評価しました。
予知連の会長で九州大学の清水洋名誉教授は、「本格的な火山活動の兆候はあまり見られないものの、心配な火山だ」とし、今後、比較的規模の小さな水蒸気噴火が発生するおそれがあると説明しました。 山体の浅い場所で起きる水蒸気噴火の場合、その前兆が噴火直前に出ることがあり、事前に警戒を呼びかける情報を出すことができない可能性があるため、注意してほしいとしています。 「北海道駒ヶ岳」は現在、5段階の噴火警戒レベルのうち一番下のレベル1「活火山であることに留意」です。 気象庁によりますと、火山性地震は去年12月に31回、先月に26回発生していて、1か月間に30回以上観測されたのは1990年4月の61回以来だということです。 また、山頂に設置している監視カメラによる観測では、「昭和4年火口」で2021年ごろから噴気が観測される頻度にわずかな増加傾向が認められています。 一方、地下の熱水やマグマなどの動きを示すと考えられる火山性微動は観測されていないということです。