護衛艦「ながら」進水 多機能FFM10番艦 三菱重工長崎造船所 11、12番艦も建造中
長崎市の三菱重工業長崎造船所で19日、海上自衛隊の多機能フリゲート艦(FFM、3900トン)10番艦の命名・進水式があり、「ながら」と名付けられた。 艦名は岐阜県などを流れる長良川が由来。旧佐世保海軍工廠(こうしょう)で大正期に軽巡洋艦「長良」が建造されたが、海自に同名の艦艇はなかった。垂直ミサイル発射システム(VLS)など各種装備を取り付ける艤装(ぎそう)を経て、2025年度に防衛省へ引き渡す予定。 全長133メートル。警戒監視や戦闘を担い、対機雷戦機能も併せ持つ。乗員約90人。9番艦「なとり」と合わせた22年度予算の建造費は約1028億円。 長崎工場立神第1ドックであった式には関係者約330人が出席。若宮健嗣防衛相補佐官が支綱を切断すると船首のくす玉が割れ、花火や汽笛が鳴り響いた。 FFMは1番艦「もがみ」(21年進水、22年就役)以降12隻が順次建造されている。このうち10隻を長崎造船所が担い、現在11、12番艦も建造中。防衛省は25年度概算要求に防空や電子戦の能力を向上させた新型FFM(4880トン)3隻分の建造費3140億円を計上し、三菱重工を主契約としている。政府はオーストラリア海軍の新型艦共同開発への参画も目指し、FFMを候補としている。