初タイトル王手もスルリ…伊藤匠七段「バランスを崩してしまって、少し残念」 悲願は最終局へ
将棋の第9期叡王戦五番勝負第4局が31日、千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で指され、挑戦者・伊藤匠七段は、後手番の藤井聡太叡王=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて八冠=に132手で敗れ、「初タイトルへあと1勝」は最終局に持ち越された。 藤井とは小学生時代にも戦った経験があり、同学年で21歳。20年10月に棋士になった当時、棋聖、王位の順で獲得し、すでに二冠だった藤井の背中を追い続けた。 昨年の竜王戦、今年の棋王戦はともに全敗。この叡王戦も初戦は落としたものの、2連勝で王手をかけて迎えた第4局。「しっかり盤上に集中して臨めればとは思っていましたが、本局はあまり熱戦にできず、ちょっと残念な内容だった」と肩を落とした。 昼食休憩後、8筋の攻防で「8七角と自陣に角を打たされる展開は本意ではなかった」といい「7五馬と引かれたあたりで対応しづらい形に。粘りも欠いてしまった」と振り返った。 ただ、あと1勝で悲願に変わりはない。第5局は6月20日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われる。「次局も注目される舞台だと思うので、しっかりとよい内容の将棋を指せるように全力を尽くしたい」と語った。
報知新聞社