【インタビュー】間宮祥太朗のオンとオフ「演技と嘘はニアリーイコールだから面白い」
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』は、東野圭吾の人気推理小説を原作に、大雪で閉ざされた山荘という密室を舞台にしたサスペンス・エンターテインメントだ。劇団の役者たちに最終オーディションの招待状が届く。それは「大雪で閉ざされた山荘」という、架空のシチュエーションで起こる連続殺人だった。ただの設定だったはずが、実際に役者が一人ずつ消えていく。それはオーディションなのか、本当の殺人なのか。本作で、劇団のトップ俳優・本多雄一を演じる間宮祥太朗に、芝居の嘘と本当、そして雪山と趣味のアウトドアについて聞いた。 【写真】間宮祥太朗 撮り下ろしショット
20歳前後で知り合った仲間と、再び共演して感じたこと
──今作に出演を決めた理由に、企画プロデュースの大畑利久さんの存在があったということですが。 「プロデューサーの大畑さんとは、『トリガール!』や『不能犯』の仕事でご一緒したのですが、その時にたくさんコミュニケーションをとって関係性ができていたんです。信頼している大畑さんから、シゲ(重岡大毅)が主演で東野圭吾さん原作の作品だから、どうしても出演してほしいというお話を直々にいただいたら、引き受けないわけがありません。それに、シゲとは、『溺れるナイフ』を観てからずっと共演してみたかったんです」 ──重岡さんと共演した感想は? 「思っていた通りの気持ちのいい方でした。ライブや音楽番組で見かけると、パフォーマンスすることが楽しいんだと全身で表現しているような印象があったのですが、共演してみたら、まさにその通りの人物でした」 ──今作の共演者は同世代が多かったですよね。 「今回、初対面だったのは、シゲと西野さん(西野七瀬)の二人です。西野さんには物静かなイメージがあったんですけど、ボソッと関西弁で刺すようなツッコミをする面白い人でした。他はみんな20歳前後の頃からよく知っていて、中条さん(中条あやみ)、(岡山)天音、(戸塚)純貴は、『ライチ☆光クラブ』(16年)で共演しました。それぞれがキャリアを積んで、今回久々に集まったので、ふとした瞬間に懐かしさを感じました。純貴は待ち時間にゴルフのフォームの確認をしたりして、『ゴルフはいいよ』なんて言うんですよ。初めて共演したのが20代前半だったので、お互いに年齢を重ねたなと思いましたね」 ──間宮さん自身、その頃から比べて変化したことは? 「その頃は、自分の役柄や俳優として、見てくれる誰かに刺さってほしいと思っていたのですが、今は作品全体のことを考えるようになりました。自分の役ではなくても、誰かが気にしている部分があれば、一緒に考えられたらと思っています。例えば、ここの動きを少し変えるだけでスムーズになるんじゃないか、など監督に提案することも増えました」 ──制作側の視点に立つようになったということですか。 「視点が『自分』じゃなくて『作品』になったんだと思います。シンプルに考えると俳優というのは、脚本に書かれていることを体現したりセリフをいうことが仕事です。そこにオリジナリティが生まれるのは、技術的なことかもしれないし、技術じゃ説明できない存在感のようなものかもしれません。不確定要素があるから、芝居は面白いんですよね。その一方で、観客側として作品を見ていると、すごく面白かったのにこの部分は少し気になったな、など感じるときもありますよね。その原因を考えたりするのと、現場で監督に提案するのは同じだと思っていて、気付いたことがあればとりあえず話してみようと。なので、制作側の視点というよりも、気付いたことを言ってみて、その結果、少しでも作品にとってプラスになればいいな、と思っています」