「脱輪してしまったが…」「転職考えたい」運転者不足のバス業界 会社説明会で行った奇策は“バスの運転体験”
ターゲットは「興味あるけれど経験がない人」
長野県上田市や市内の交通事業者でつくる市公共交通活性化協議会が10日、バスの運転手不足を打開しようと、「バスの運転体験ができる会社説明会」を市内の自動車教習所などで初めて開いた。大型バスの運転免許がない人を含む20~60代の12人が参加。市内に路線があるバス会社4社の説明を聞いた後、実際のバス車両を使って運転に挑戦した。 【写真】緊張しながらバスの運転に挑戦する参加者
4社は恒常的な運転手不足に加え、4月からの労働時間規制強化への対応も迫られており、うち3社は新年度から路線バスを減便する。運転手採用の間口を広げるため、「バスの運転に興味があるけれど経験がない」という人に現実的な職業として考えてもらおうと説明会を企画した。
緊張した面持ちでハンドル握る
参加者は市内の千曲バス(佐久市)の営業所で、各社の担当者から運転手の仕事について学んだ後、近くの自動車教習所で運転を体験へ。担当者から「車体が長いのでミラーをよく見て、後輪の脱輪に注意して」などと助言を受けながら、緊張した面持ちでハンドルを握った。
若い女性も「転職も考えてみたい」
参加者は車体の大きさなどが異なる複数のバスを計15分ほど運転。上田市内の会社員金子裕明さん(39)は幼い頃からバス運転手が憧れだったといい「緊張し、脱輪もしてしまったが夢がかなった。仕事の選択肢の一つに考えたい」と喜んだ。佐久市の20代女性は久しぶりのマニュアル車の運転に苦戦したが「『練習すればできるようになる』と励ましてもらった。転職も考えてみたい」と話した。